リュミエール博物館 - 映画の発明者・リュミエール兄弟の記念館

リュミエール博物館/Musée Lumière:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など

映画の父・リュミエール兄弟の個人記念館。場所はリュミエール家の工場や豪華な住宅があった場所。世界初の映画もここで撮影され、まさに映画の発祥地にある博物館です。

 

リュミエール博物館の概要・歴史

リュミエール研究所(Institut Lumiere)は、1982年に設立され、博物館など映画の保存や普及に関する活動を行っています。この研究所(博物館)は、映画の父・リュミエール兄弟の工場と住宅があった場所にあります。また、ここで世界初の映画といわれる「工場の出口」が撮影されました。まさに映画の発祥地です。

ちなみに、“lumiere”は、奇しくもフランス語の「」「あかり」を意味します。映画は光の芸術といってもいい側面がありますので、偶然のこととはいえ不思議な縁というか発明されるべき人に発明されたような気がします。

博物館の建物はリュミエール家の豪華な住居

博物館になっている建物はリュミエール兄弟の父親アントワーヌ・リュミエールが1902年に建てた豪勢な住居を転用しています。

住所は、rue du Premier-Film=最初の映画通り。改名したのでしょうが、なんとも心憎い通りの名前ですね。

リュミエール博物館の見どころと展示

映画の発明者=映画の父・リュミエール兄弟

オーギュスト(兄)とルイ(弟)のリュミエール兄弟は、肖像画家で後に写真館を営んだ父・アントワーヌのもとで生まれ育ちました。弟のルイは父親の仕事を手伝いながら写真乾板や感光材の改良・開発を行い、一家はリヨンに工場を建てるなど大きな成功を収めました。

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世界初の映画「工場の出口」

そんなリュミエール兄弟が映画を発明したのは1894年から1895年にかけての頃。1895年2月13日に「シネマトグラフ」の特許も取得しています。開発のきっかけとなったのはパリで父・アントワーヌがエジソンが開発したキネトスコープを見たこと。

エジソンのキネトスコープ

そのため、映画はエジソンが発明者といわれる場合もあるようですが、エジソンのキネトスコープは、箱をのぞき込むと動画が見られるもの。それに対して、リュミエール兄弟は映写機を使ってスクリーンに映し出す方式で多くの人が見られる現在の映画と同様の方式。このためリュミエール兄弟を映画の発明者、映画の父と呼ぶようです。

1895年3月にパリで開かれた科学振興会でもシネマトグラフを公開していますが、リュミエール兄弟は、同年12月28日にパリのグラン・カフェ(現在のホテル・スクリーブ・パリ)地階のサロン・ナンディアン(インドの間)で、有料の上映会を開催しました。これが世界初の映画館といわれています。その時の観客は33人。上映されたのは「工場の出口」など。これはリヨンの工場で撮影されたもので、仕事を終えて工場の門から出てくる工員たちを撮影した50秒弱の無声映画です。世界初の映画といわれています。カフェでは他にも9本が上映されたそうです。当時の人々にとっては大きな驚きだったでしょうね。

初期の映画の中の日本

リュミエール兄弟は、日本も含めて世界各地に撮影隊を派遣しています。博物館でこの時の映像を見ることができます。当時の日本が見られてとても貴重な記録映像になっています。インターネットでも探せば見られると思います(著作権はとっくに切れているので違法ではないはず)。また、リュミエール研究所所長が監督・脚本の「リュミエール!」という作品で初期のリュミエール映画を見ることができるようです。

映画以外の発明・開発・改良でも活躍

リュミエール家は一家で工場を営んでいたのですが、写真乾板や感光材、映画だけではなく、義手や義足なども製造していました。また、実用的なカラー写真を開発したり、立体映像、360度の全周映像などもつくったようです。すごい大活躍です。ちなみにその後、映画の権利は売ってしまい、わりと早くに映画づくりからは手を引いたようです。この博物館では、リュミエール兄弟の個人記念館として、映画の誕生のことだけではなく、そうしたさまざまな活躍を知ることができます。

「千と千尋の神隠し」が表紙の教育普及活動のパンフレット

2018年度の教育普及活動のパンフレットの表紙は「千と千尋の神隠し」です。

教育普及活動は「千と千尋の神隠し」にちなんでいるというわけではなさそうですが、なぜ動いて見えるのかといった映画の原理・仕組み、映画の制作体験、アニメなどユニークなワークショップも開かれているようです。

音声ガイド(5か国語。日本語なし。3ユーロ)やガイド・ツアー(3ユーロ)などもあります。もちろん映画の上映会も行われています。

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リュミエール博物館へのアクセス・行き方

地下鉄 D線のモンプレジール・リュミエール(Monplaisir Lumière)駅のすぐ近く。歩いて1分です。旧市街のヴュー・リヨン(Vieux Lyon)駅から地下鉄D線で一本で10~15分ぐらいです。

ひとこと

映画好きとしてはぜひ行きたかった博物館。映画の父・リュミエール兄弟について、知らなかったこともいっぱい知ることができ、コンパクトですが素敵な博物館でした。

info

Musée Lumière

  • 訪問日: 2017年12月19日
  • 開 館: 1982年(?)
  • 入館者数: -人
  • 所在地: フランス・リヨン(25 rue du Premier-Film BP 8051 69352 Lyon)
  • アクセス:地下鉄 D線のMonplaisir Lumière駅から徒歩1分
  • 入館料: 7ユーロ(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり
  • 開館時間: 月-金 10時~18時30分
  • 休館日: 月曜日、1/1、5/1、12/25
  • 公式サイトhttp://www.institut-lumiere.org

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訪問した日の旅行記です。