コプト博物館(Coptic Museum):見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など
コプト博物館は、世界遺産「カイロ歴史地区」のオールド・カイロ(カイロ旧市街)にあるコプト(エジプトのキリスト教徒)に関する博物館です。内部は撮影禁止でした。
コプトとは
「コプト」とは主にエジプトにいるキリスト教徒のことを指し、その大部分は「コプト正教会」という宗派に属するそうです。エジプト人口の約1割がコプトといわれています。
西暦42年頃にエジプトの地中海の都市・アレキサンドリアに聖マルコが教会を建てたという伝承が残っているように、エジプトにおけるキリスト教の歴史は古く、キリスト教成立直後から信者がいました。かなり普及したようですが、7世紀半ばにイスラム勢力の侵攻があり、イスラム教への改宗が進み現在では少数派です。
コプト博物館の沿革・歴史
コプトの政治家マルクス・シマイカ・パシャ(Marcus Simaika Pasha)によって、1908年にコプト博物館が設立され、1910年に開館しました。当初は私設だったようですが、1931年に国立化されました。1939年にエジプト考古学博物館からキリスト教に関する遺物が移管され、それ以来、キリスト教関連の遺物が発見されるとこの博物館に収蔵されます。
コプト博物館がある場所は、西暦98年にローマのトラヤヌス帝によって建設された古い城壁を含むバビロン要塞内にあり、周辺は世界遺産「カイロ歴史地区」のオールド・カイロです。ここには、エジプトで最も古い教会の一つ聖セルギウス教会をはじめ、聖バルバラ教会や英語ではthe Hanging Churchとも呼ばれるエル・ムアッラカ教会など古い教会が残っていて、ヨーロッパなどの教会とは違ったキリスト教会を見ることができます。
コプト博物館の展示
コプト博物館の面積は、庭園部を含みおよそ8,000平方メートル。この博物館では発掘されたものに加え、コプト教信者からの寄贈などを含めて約16,000点を収蔵し、そのうちイコンや衣服・織物、写本、聖職者用服(僧服)、フレスコ、宗教画のフレスコや木製パネル、石碑などコプトの歴史・文化・美術に関する約1,200点を展示しているそうです。また、パピルスの文書を6,000点あまり所蔵していて、そのうち聖書の詩編を記したものやナグ・ハマディ写本が貴重なもののようです。
なかには2世紀などにさかのぼる石碑など古い時代のものもあり、全体的にはプリミティブというか素朴な印象を受ける遺物が展示されているように感じました。
近年(2008年ごろ?)、5年に及ぶリノベーションが行われたようですが、展示方法は実物中心で解説パネルなどもほとんどなくシンプルな展示でした。模型、映像、PCなども気が付きませんでした。
展示は撮影禁止です。
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コプト博物館へのアクセス・行き方
オールド・カイロと呼ばれる地域にあります。地下鉄のマリ・ギリス(Mar Girgis)駅のすぐ目の前、徒歩1分ぐらいです。
ひとこと
ほとんど予備知識がない状態で訪れました。コプトについて少しでも知っておいて見学する方が良かったと思います。コプトの歴史・文化を知ることができる博物館だと思うのですが、解説が少なめなのがちょっと残念でした。
info
Coptic Museum
- 訪問日: 2018年1月4日
- 開 館: 1908年設立、1910年開館
- 入館者数: -
- 所在地: エジプト・カイロ(3 Mari Gerges, Kom Ghorab, Misr Al Qadimah, Cairo Governorate)
- アクセス:地下鉄Mar Girgis駅から徒歩約1分
- 入館料: 40エジプト・ポンド(大人・個人・当日・外国人)※参考:エジプト人の場合は2エジプト・ポンド
- 開館時間: 9時~17時 ※ラマダン時は15時まで
- 休館日: -
- 公式サイト : http://www.coptic-cairo.com/museum/museum.html
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