孫中山紀念館 - 香港で医学を学んだ革命の父・孫文の記念館

孫中山紀念館

孫中山紀念館(Dr Sun Yat-Sen Museum):見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など

日本では「孫文」の名前で知られ、中国では“革命の父”や“国父”ともいわれる「孫中山」の記念館です。孫文の記念館は日本も含めて他にもありますが、香港大学の前身で医学を学んだりなど孫文は香港ゆかりの人物です。生誕140周年を記念して2006年にオープンしました。

 

孫文

孫文は、1866年11月12日に生まれ、1925年3月12日に亡くなった中国の政治家・革命家で、清朝を倒した辛亥革命を指導し中華民国建国時に臨時大統領になりました。

孫文が生まれたのは広東省香山県翠亨村で現在は中山市となっています。この市の名前の「中山」は、孫文の中国での一般的な呼称「孫中山」に因むもののようです。

孫文は、香港大学の前身「香港西医書院」で医学を学んだり、その思想を育んだり、お隣のマカオで医者として開業したりと香港とは縁があります。このことから香港の地に記念館が作れたのでしょう。

孫文は、日本とも浅からぬ縁があります。広州で武装蜂起に失敗した後、日本に亡命し、さまざまな日本人と交流するとともに支援を受けています。「中山」の名前も、日比谷公園近くに住んでいた時に「中山(なかやま)」さんが近所に住んでいたことから。ちなみにこの中山さんは侯爵だった方だそうです。

1911年に辛亥革命が起き清朝が倒れると、孫文は中華民国の臨時大統領に就任。しかし、内部の権力闘争もあってか、孫文は再び日本に亡命。その後、国共合作なども行いながら革命の成就を目指しましたが、1925年に「革命いまだならず」という有名な言葉を残してなくなりました。

孫文は中国や台湾で「革命の父」や「国父」とも呼ばれ、慕われているようです。

若き日の孫文

孫中山紀念館の建物

記念館がある建物は、1914年に建てられたエドワード朝(エドワード7世:在位1901年1月22日 – 1910年5月6日)の古典的な4層の建物で、もともとは香港の裕福な実業家・何甘棠の住居だったところ。甘棠第(Kom Tong Hall)と呼ばれていました。ギリシア風の花崗岩の柱に囲まれたファサードやステンド・グラスの窓などが美しいのも特徴です。また、コンクリートの使用や電線の使用などは香港では初期のもののようです。面積は2,560平方メートル。

孫中山紀念館の概要

孫中山紀念館は、孫文の生誕140周年を記念して2006年に開館しました。この記念館は香港歴史博物館の分館と位置付けられています。

常設展示室以外にも特別展示室、映像室、講座室(活動室・学習室)、閲覧室などがあります。また、ガイド・ツアーをはじめワークショップ、上映会、講演などの教育普及活動が行われています。

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常設展示の2つのテーマ

孫中山紀念館の常設展示は、大きく二つのテーマがあります。

一つは「孫中山の頃の香港:孫中山時期的香港(Hong Kong in Dr Sun Yat-sen’s Time)」で、孫文が中等教育を受け、その後、医学を学びマカオで開業、その思想を育んだ頃の香港と孫文を紹介しています。

もう一つは「孫中山と近代中国:孫中山與近代中國(Dr Sun Yat-sen and Modern China)」で、その革命的な思想を育む過程や革命のために世界中を飛び回りながら活動をしてきた孫文を紹介しています。

貴重な文書や実物、写真、実物、模型、等身大の再現ジオラマなどが展示されています。

※展示室内部は、著作権の関係のようですが、残念ながら撮影禁止でした。

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孫中山紀念館へのアクセス・行き方

MTR(地下鉄)・湾島線(Island Line)または荃湾線(Tsuen Wan Line)の上環(Sheung Wan)駅から16~17分ぐらいです。また中環(Central)駅からだと15分ぐらいですが、上環駅からの方が映画「恋する惑星」に出てきたエスカレーターを使えるので楽かもしれません。

近くには香港医学博物館や文武廟、香港大学美術博物館などもありますので、あわせて見学するのも良いと思います。

ひとこと

孫文の記念館は、香港だけではなく南京、台湾、日本などにもありますが、この記念館では、個人記念館として、孫文と香港とのかかわりを知ることができます。また、その思想や日本をはじめ世界での足跡を学ぶこともできます。政治家・革命家だけに評価はいろいろあると思いますが、日本ともゆかりのある孫文を学ぶことも良いことでしょう。

そういえば、キューバ革命のチェ・ゲバラも医学生。医療の現場ではいろいろな矛盾を感じることも多かったのでしょうか。

info

孫中山紀念館/Dr Sun Yat-Sen Museum

  • 訪問日: 2018年1月27日
  • 開 館: 2006年11月12日(12月12日?)
  • 入館者数: -
  • 所在地: 中国・香港(7 Castle Road, Mid-Levels, Central, Hong Kong)
  • アクセス: MTR(地下鉄)・湾島線(Island Line)の西営盤(Sai Ying Pun)駅または上環(Sheung Wan)駅から徒歩10~15分程度MTR(地下鉄)・湾島線(Island Line)または荃湾線(Tsuen Wan Line)の上環(Sheung Wan)駅から徒歩約16~17分。また中環(Central)駅からは徒歩約15分(上環駅からの場合、エスカレーターが使える)
  • 入館料: 無料
  • 開館時間: 月・火・水・金 10時~18時、土・日・祝日10時~19時、クリスマス・イブ及び旧正月前日 10時~17時
  • 休館日: 木曜日(祝日、誕生日11/12、命日3/12を除く)、旧正月の2日間
  • 公式サイト : https://hk.drsunyatsen.museum/

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