香港海事博物館(Hong Kong Maritime Museum):見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など
香港は、かつては小さな漁村でしたが、東西を結ぶ貿易の拠点となり発展してきました。そうした人や物が行き交ってきた香港の歴史や海運の歴史、現在の港湾、海の安全を守る技術、船舶史など海に関するさまざまなことを学ぶことができます。スター・フェリーの桟橋近くにあります。
香港海事博物館の沿革と概要
香港海事博物館は2005年9月に開館しましたが、この時は赤柱(スタンレー:Stanley)にある美利楼 (マレー・ハウス:Murray House)という歴史的建造物の一角にありました。この建物は、1844年に建造されたもので、もともとはイギリス軍の将校が使っていたようです。アジア・太平洋戦争時に日本が香港を占領した時は日本軍も使用していました。
ここでは500点あまりが展示され年間3万5千人程度の入館者があったようですが、この建物のリース期限が迫っていたこと、手狭だったこと、中心部から離れていたことなどの理由で移転することになりました。
現在のスター・フェリーが発着する桟橋近くの八號碼頭(8号桟橋:Pier 8)の建物を改装し、香港海事博物館が移転オープンしたのは2013年のことです。海事博物館ということを考えると理想的な場所ではないでしょうか。
移転後は、床面積が4,400平方メートルになり5倍になっているそうです。ここに1,200点以上が展示され、年間10万人の入館者があります。
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香港海事博物館の展示
貿易・海運の拠点として発展してきた香港ですから、この博物館は香港の成り立ちを考えるうえでとても重要な役割を担っているといえるでしょう。
香港や中国、アジアなどの海運の歴史・文化や海運の技術、重要性を紐解く展示が、A~Cの3フロアにわたって展開されています。船をモチーフにしているため、Aデッキ、Bデッキ、Cデッキと呼ばれています。
Aデッキ(最上階):航海術に関する展示コーナーなどがあります。船の操舵室(ブリッジ)が再現され、操船シミュレータで船の操縦を体験できます。ここには眺めの良いカフェもあるようです。
Bデッキ:入り口階です。航海の安全、現代の海運、潜水、気候変動など多様な海に関するテーマを扱っています。ヴィクトリア湾の風景が美しく見える展望スペースもあり、おススメです。企画展示室もこのフロアです。
Cデッキ:香港の発展の歴史、船の発達を紹介している展示があります。最も博物館らしい展示が行われているフロアかもしれません。
見どころになっているのは、全長18メートルの「靖海全図」。かつては長すぎて展示できなかったものがデジタル化されスクリーン上ですべてを見たり拡大・縮小ができるようにしています。この絵巻は、香港や広東の近海で名をはせた海賊・張保仔の物語を描いたもので、義賊として人気があったようです。さしずめ「香港の鼠小僧」といったところかもしれませんね。
Dデッキ:展示はありませんが、学習室や講座室、管理事務所があるようです。
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海事博物館へのアクセス・行き方
香港島と九龍半島を結んでいるスター・フェリーの香港島側の桟橋のところにあります。MTR(地下鉄)・湾島線(Island Line)または荃湾線(Tsuen Wan Line)の中環(Central)駅からだと歩いて10分ぐらいです。東涌線(Tung Chung Line)の香港(Hong Kong)駅からだと6分ぐらいです。
ひとこと
スター・フェリーは、海から香港が見え船旅気分も味わえるので観光客にも人気です。スター・フェリーに乗りがてら博物館を訪れてみてはいかかがでしょうか。博物館からのヴィクトリア湾の眺めも良かったです。
info
香港海事博物館(Hong Kong Maritime Museum)
- 訪問日: 2018年1月27日
- 開 館: 2005年9月
- 入館者数:10万人
- 所在地: 中国・香港(Central Pier No. 8, Hong Kong)
- アクセス: スター・フェリーの香港島側桟橋からすぐ。MTR(地下鉄)・湾島線(Island Line)または荃湾線(Tsuen Wan Line)の中環(Central)駅から徒歩約10分。東涌線(Tung Chung Line)の香港(Hong Kong)駅から徒歩約6分
- 入館料: 30香港ドル(大人・個人・当日)
- 開館時間: 月-金 9時30分~17時30分、土・日・祝日 10時~19時
- 休館日: 旧正月の2日間
- 公式サイト : http://www.hkmaritimemuseum.org/
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