キルメイナム刑務所 -アイルランドの歴史の証人

キルメイナム刑務所/Kilmainham Gaol:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など

現在は、ミュージアムとなっているキルメイナム刑務所ですが、アイルランドの独立運動にかかわる数多くの政治犯を収容するなどアイルランドの歴史上、とても重要な場所です。

 

キルメイナム刑務所の歴史

1796年から1924年まで刑務所・収容所・処刑場などとして使われてきたキルメイナム刑務所は、アイルランドの歴史の証人ともいえる場所です。

1798年には初の政治犯が収容され、その後、たびたびの独立運動・闘争・反乱などにかかわる政治犯が収容されました。アイルランドの独立闘争において有名な1916年のイースター蜂起の際には蜂起にかかわった何百人もの人が収容され、リーダー格の14名がここで処刑されたそうです。

19世紀前半は、オーストラリアに送られる囚人の待機場所にもなっていて、ここから4,000人の囚人が送られたという歴史も持ちます。

イギリスからの独立運動では多くの政治犯を収容してきたキルメイナム刑務所ですが、独立達成後まもなく1924年に閉鎖され、その後、長らく放置されていたようです。しかし、1960年に有志が立ち上がり保存修復活動が始まり、1966年のイースター蜂起50周年記念に合わせてミュージアムとして開館したようです。1986年には国による管理運営になりました。

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ガイド・ツアー形式での見学

見学は、ガイド・ツアー形式のみで自由観覧はありません。日本語のガイド・ツアーはなく、英語になります。英語ネイティブではない参加者のために、クセのない英語でかなり丁寧にゆっくりしゃべってくれたので、なんとかなりました。後ろについていくだけなら、英語があまりできなくてもなんとかなると思いますが、興味深いエピソードも多いので、英語が少しでもできる方と一緒に行った方が良いと思います。ガイド・ツアーの所要時間はおよそ1時間です。ツアーを終えたら展示室を観ます。

紹介されたエピソードで印象に残っているのは、ジャガイモ飢饉(1845~1849)年の時には、食べ物と寝るところが保証されるので微罪を犯してわざわざ収容される者も少なくなかったとか、そのために1人用の独房に5人を収容せざるを得なかったことなどがあります。

アイルランド独立運動の政治犯に関するエピソードもいろいろお紹介されます。アイルランドの方にとっては、この施設は独立への困難だった道のり、苦難の歴史などを象徴している場所なのだと思います。

ガイド・ツアーの後の展示室には、エピソードや歴史などの紹介やいろいろな遺物の展示があります。

私が訪れた時は冬季で観光シーズンではなかったのですぐに入れましたが、観光シーズンはかなり混雑するようです。事前にオンラインで購入しておいた方が良いかもしれません。事前購入だと1ユーロほど安くなるようです。

キルメイナム刑務所へのアクセス・行き方

キルメイナム刑務所は、市の中心部からは3.5kmほど西にあります。最寄り駅は、路面電車LUASのレッド・ライン(赤線)のSuir Road駅。ここから郊外ののんびりした風景を楽しみながら歩くこと約10分でキルメイナム刑務所に到着です。

左側にLUASのレッド・ライン:Suir Road駅。ここから北側に歩いて10分ぐらい

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ひとこと

エピック・アイルランド移民博物館もそうですが、ここキルメイナム刑務所も、アイルランドの成り立ちを考えるうえで重要な場所です。実際に歴史の舞台、証人となってきた場所だけに、場の力は迫ってくるものがあります。

info

Kilmainham Gaol

  • 訪問日: 2017年12月3日
  • 開 館: 1966年?
  • 入館者数: -
  • 所在地: アイルランド・ダブリン(Inchicore Rd, Kilmainham, Dublin 8, Ireland)
  • アクセス: 路面電車LUASレッド・ライン(赤線)のSuir Road駅から徒歩10分程度
  • 入場料: 9ユーロ(大人・個人・当日) 割引制度あり
  • 開館時間: 4・5・9月 9時から18時、6~8月 9時から19時、10~3月 9時30分~17時30分 ※ガイド・ツアー形式のため、16時45分に受付終了(6~8月は17時45分)。例外などもあるようなので、ウエブ・サイトを確認してください
  • 休館日: 12/24-26
  • 公式サイト : http://kilmainhamgaolmuseum.ie/

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訪問した日の旅行記です。