トリノ王宮博物館/Musei Reali Torino:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など
トリノ王宮は、世界遺産「サヴォイア王家の王宮群」を構成する施設の一つで、豪華な王宮であるとともに、王宮内には複数の博物館・美術館などがあります。
トリノ王宮博物館の概要・歴史
トリノ王宮博物館の概要
「サヴォイア王家の王宮群」の構成施設として世界遺産にも登録されているトリノ王宮。
このトリノ王宮内にあるトリノ王宮博物館(Musei Reali Torino)は、王宮、武器庫、図書館、美術館、考古学博物館、チャペル、企画展示室、庭園などから成るミュージアムの集合体です。これを理解しておかないとちょっと混乱するかもしれません。基本的にチケットは共通ですが、企画展は別途有料で、図書館と庭園は無料で利用できるようです。
トリノ王宮の歴史
トリノがサヴォイア公国の首都になったのは1563年(1562年?)で、王宮は16世紀から17世紀にかけて建てられました。王宮建設地はもともとは司教の邸宅があったところのようです。
王宮建設は、1584年にカルロ・エマヌエーレ1世公がトリノの都市計画を行ったアスカニオ・ヴィトッツィ(Ascanio Vitozzi)に依頼し始まり、1648年にカルロ・モレッロ(Caro Morello)が引き継ぎ、1658年に完成したようです。その後も、手が加えられ、18世紀にほぼ現在の姿になりました。
各施設の概要
サヴォイア王家の栄華を伝えている豪華な王宮:Palazzo Reale
正直なところ、こんなに豪華絢爛できらびやかな王宮がトリノにあるのをまったく知りませんでした。トリノがサヴォイア公国(後にサルデーニャ王国)の首都で、イタリア統一後の国王にもなったサヴォイア家が王家であったことを考えると、不思議なことではないですが、世界史(イタリア史)の知識がない私には驚きでした。
日本からの贈り物もある武器庫:Armeria Reale
王宮の美しい部屋にヨーロッパの甲冑や武器などが展示されています。“絵になる”といっては語弊があるかもしれませんが、とても素敵な雰囲気でした。
明治天皇が1869年(明治元年)に贈った鎧兜も展示されていました。日本とイタリアは1866年に日伊修好条約を結んでいます。1861年の統一から間もないイタリアといわゆる開国を行い近代化に邁進しはじめた日本の外交関係のはじまりがこの鎧兜にもあらわれているのかもしれません。
伝統的なヨーロッパ美術のサバウダ美術館:Galleria Sabauda
ルーベンス、ヴァン・ダイク、ボッティチェリなど有名な画家の作品をはじめ、伝統的なヨーロッパ絵画、フランダース派やオランダのものを収蔵しています。
かなりの量の作品が展示されていて、王家のコレクションの量、豊富さに驚されたことと入り口・動線が少しわかりにくかったことだけは覚えているのですが、それ以外はあまり印象に残っていません…。鑑賞眼のある美術好き、美術史に詳しい方はきっと違う印象を持つのだと思うのですが。
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エジプト博物館と兄弟の考古学博物館:Museo di Antichita
1832年に設立された博物館が分かれて、ひとつがこの考古学博物館に、もうひとつがエジプト博物館になったようです。現在は、ローマ時代の遺物をはじめトリノを含むピエモンテ州各地から発掘されたものなどを収蔵・展示しています。
王宮の地下とその続きの新館から成るようです。
貴重な写本などを所蔵する図書館:Biblioteca Reale
未訪問なので詳細がわからないのですが、ミケランジェロ、ラファエロ、レンブラント、ダ・ヴィンチなどの貴重な写本、版画、スケッチなどを所蔵しているそうです。ここは無料エリアのようです。
生まれ変わった聖骸布チャペル:Cappella della Sindone
私が訪問した時には修復中のようでしたが、修復が終わり2018年9月27日から公開されたようです(一般公開は28日から)。
聖骸布とは、キリストを十字架から降ろした際に包んだ布のことで、サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂:聖ヨハネ大聖堂(Duomo di Torino/Basilica Cattedrale di San Giovanni Battista)に保管されています。王宮の礼拝堂(聖骸布チャペル:Cappella della Sindone)とこの大聖堂はつながっているようにも思えるのですが、詳細は不明です。大聖堂にも行きましたがよくわかりませんでした。大聖堂内にはCappella della Sindoneと書かれている誘導サインもあったのですが…。写真はサン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂です。
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企画展示室にあたる:Salle Chiablese
企画展示室といっていいと思いますが、私が訪れた時は、ミロ展を行っていました。ここは別料金になります。
天気が良ければ気持ちのよさそうな広々とした庭園:Giardini Reali
訪問日は冬でとても寒かったです(冬のオリンピックが開かれるようなところですから寒くて当たり前なのですが)。雪が降ったあとで、庭園は閉まっていました。暖かい日はきっとのんびりできて気持ちがよさそうです。こちらは無料で入れます。
トリノ王宮博物館へのアクセス・行き方
トリノの主要ターミナル駅の一つ、ポルタ・ヌォーバ(PORTA NUOVA)駅から歩いて約15分です。マダマ宮やエジプト博物館などからも10分以内で歩けます。
ひとこと
世界史が苦手な私は予備知識ゼロでトリノを訪れました。トリノはイタリア統一でも中心的な役割を担ったサルデーニャ王国(サヴォイア公国の後身)の首都だったのですね。だからあんなに豪華絢爛な王宮があったことの合点が行きました。いまさらですが…。
info
Musei Reali Torino
- 訪問日: 2017年12月20日
- 開 館: -
- 入館者数: 360,777人(2017年)
- 所在地: イタリア・トリノ(Piazzetta Reale 1, 10122 Torino)
- アクセス: PORTA NUOVA駅から徒歩約15分
- 入館料: 12ユーロ(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり
- 開館時間: 8時30分~19時30分 ※時期により異なる可能性があります。HPをご確認ください
- 休館日: 月曜日
- 公式サイト : https://www.museireali.beniculturali.it/
【姉妹サイトの投稿記事】
訪問した日の旅行記です。