ヴィクトリア記念堂(Victoria Memorial Hall, Kolkata):見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など
コルカタにあるヴィクトリア記念堂は、イギリスの国王でインド皇帝だったヴィクトリア女王を記念して1921年に開館しました。白い大理石の外観がとても美しい博物館です。歴史系の絵画などの展示が充実しています。
ヴィクトリア記念堂の歴史・沿革
イギリス国王にしてインド皇帝だったヴィクトリア女王がお亡くなりになったのは1901年です。この年、インド副王(総督)だったカーソン卿は、ヴィクトリア女王を記念して博物館をつくることを構想しました。そして、後にジョージ5世国王となる皇太子ウェールズ公(ヴィクトリア女王の跡を継いだエドワード7世の次男)により1906年1月4日に礎石が置かれました。建設地は、イギリスのウイリアム要塞があった現在のモイダン公園が選ばれました。開館したのは1921年12月28日のことです。
建設がはじまった時は植民地インドの首都だったコルカタですが、1911年に首都がデリーに移っていたので完成した時は首都ではなくなっていました。
ちなみに、開館まで時間がかかったのは、1905年にカーソン卿がインドを離れてしまったことが原因という説があります。
建物の概要
建物の様式は、「インド・サラセン様式」と呼ばれるもので、インド、イギリス、イスラムの建築様式が融合しているのが特徴だそうです。タージ・マハルをモデルとしたといわれ、白い大理石がとても美しい建物です。大理石はタージ・マハルと同じマクラナ大理石(Makrana marble)が使われています。外観はどことなく、日本の国会議事堂と似ているような気もします。建物の大きさは103m(338ft)×69m(228ft)で、高さは56m(184ft)です。
設計は、イギリス人のウイリアム・エマーソン( William Emerson )。
ヴィクトリア記念堂の展示概要
1650年からの歴史資料28,394点を所蔵しています(コルカタに東インド会社の商館が置かれたのは1690年)。絵画は3,900点あまり。
これらの収蔵品は女王の間、皇太子の間、カルカッタ・ギャラリー、ナショナル・リーダーズ・ギャラリーなど、テーマごとのギャラリーに展示されています。女王の間では、戴冠式や結婚式を描いた絵画、子どもの頃に使っていたピアノなどの愛用品を見ることができます。また、カルカッタ・ギャラリーでは、絵画や写真などでカルカッタの発展、歴史を知ることができます。
展示方法は、資料・作品を並べて見せるのが中心の陳列型。美術館的な展示といってもいいかもしれませんが、解説などが少し足りないような気がしました。
内部は撮影禁止です。
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ヴィクトリア記念堂へのアクセス・行き方
地下鉄のモイダン(Maidan)駅またはロビンドロ・ソドン(Rabindra Sadan)駅から1kmぐらいで、歩いて15分弱ぐらいです。
コルカタの街の喧騒とは隔絶され市民の憩いの場となっているモイダン公園内にあります。
ひとこと
ヴィクトリア記念堂は、白亜の美しい建物でした。
展示はなかなかのボリュームで、ホームページもありコレクションなどの概要を知ることができますし、アニュアル・レポート(年報)もまとめられています。比較的、充実した博物館活動が行われていると感じました。
入館者数はおよそ200万人(大部分はインド人)とかなり多く、市民に親しまれているだけではなくコルカタの観光スポットにもなっているのかもしれません。
info
ヴィクトリア記念堂/Victoria Memorial Hall, Kolkata
- 訪問日: 2018年1月20日
- 開 館: 1921年12月28日
- 入館者数: 約200万人(2016-2017:インド人1,936,172人、外国人32,476人、児童・生徒18,681人など)
- 所在地: インド・コルカタ(1, Queen’s Way, Kolkata, West Bengal 700071)
- アクセス:地下鉄のMaidan駅またはRabindra Sadan駅から約1km。徒歩15分弱
- 入館料: 200ルピー(大人・個人・当日・外国人)
- 開館時間: 10時~17時
- 休館日: 月曜日、祝日
- 公式サイト : http://victoriamemorial-cal.org/
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