ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂 - 古代ローマが今も息づく世界遺産の街・ローマ

ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂/Historic Centre of Rome, the Properties of the Holy See in that City Enjoying Extraterritorial Rights and San Paolo Fuori le Mura:概要、歴史、見どころ、アクセス・行き方、感想など

「すべての道はローマに通ず」。古代ローマはヨーロッパの歴史で今日に至るまで大きな影響を与えています。「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」は、1980年に登録された世界遺産(文化遺産)です。

 

ローマ概史

世界遺産「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」を見学する時に、ローマの歴史を少し知っておくとより充実し理解が深まると思います。Wikiなどを参考に簡単にローマの歴史を整理してみます。

ローマのはじまり(王政期):紀元前753-紀元前509

伝説によると、ローマ神マールスとウエスタの巫女の子どもでオオカミに育てられた双子の兄弟の一人ロームルスが、紀元前753年に王となりローマを建国しました。その後、6人の王が続き、王政期は紀元前509年まで続きました。

共和政:紀元前509-紀元前27

紀元前509年に王制が打倒され共和制となった都市国家のローマはイタリア半島全域に勢力範囲を広げ、さらに地中海全域に属州を持つまでに拡大しました。共和政は紀元前27年まで続きます。

ローマ帝国:紀元前27-395

オクタウィアヌスが、ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスとなったのが紀元前27年。ローマ帝国のはじまりです。紀元1世紀の末から2世紀にかけての5人の皇帝の時代=五賢帝の時代にローマ帝国は最盛期を迎えました。ミラノ勅令により、キリスト教が公認されたのは313年のことです。

東西ローマ帝国:395-1453

ローマ帝国が395年に東西のローマ帝国に分裂。ローマは西ローマ帝国内でした。西ローマ帝国は476年に皇帝が廃位し、486年にゲルマン系のフランク王国によって消滅させられました。一方、東ローマ帝国(ビザンツ帝国、ビザンティン帝国)はコンスタンティノープルを首都とし1453年まで続きました。かたちのうえでは476年に西ローマ帝国皇帝が廃位されたことにより、東ローマ帝国がローマ帝国を継承したことになっているようです。

なお、「神聖ローマ帝国」という帝国があります。これは、9~10世紀に成立し1806年まで続きましたが、勢力範囲は現在のドイツ、オーストリア、チェコ、イタリア北部で、西ローマ帝国の後継国家を称していたそうです。ややこしいですね。

イタリア統一とバチカン市国

外国の影響下にあったり都市国家が分立していたイタリアが統一されたのは1861年。この時、ローマは教皇領でイタリアには組み込まれていませんでしたが、1870年にイタリア軍がローマに侵入し武力で併合。このため、イタリアとバチカンが対立。1929年のラテラノ条約でバチカン市国が独立したことで和解がなったようです。

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主な見どころ

コロッセオ(Colosseo)

観光客が必ずといってもいいほど行くコロッセオ。紀元後80年に完成し、当初は「フラウィウス円形闘技場」と呼ばれたそうです。その大きさは、長径188m、短径156mの楕円形で、高さは48.5mの4層構造です。収容人数は5万人だとか。ローマ帝国の時代には剣闘士同士や剣闘士と猛獣の戦いが行われました。

中に入りたかったのですが、混雑でチケットが買えず。訪れたのがクリスマスに年末年始ですから休みもあったり時間が限られていたりで…。残念。ちなみに、2017年の入場者数は7,036,104人で、イタリアのミュージアムなどで一番の入場者数(入館者数)でした。

フォロ・ロマーノ(Foro Romano)

紀元前509年から紀元前27年の共和政期の古代ローマ時代に、政治・経済・商業の中心地として栄えました。帝政期になると次第に衰退していったようです。

ここも外観だけを見るにとどまってしまいました。

コンスタンティヌスの凱旋門(Arco di Costantino)

コロッセオのそばにある凱旋門で、後にローマ皇帝となるコンスタンティヌスがマクセンティウスに勝利したことを記念し、315年に建造されました。高さ21m、幅は25.7mで、ローマ最大の凱旋門。パリにある凱旋門のモデルになったそうです。

サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂(Basilica di San Giovanni in Laterano)

ローマ4大バジリカの一つ。324年に献堂式が行われ、世界で最初に造られたキリスト教の聖堂だそうです。ラテラノ宮殿が隣接し教皇の住まいでもあったそうです。

未訪問。ローマの南側。地下鉄A線サン・ジョヴァンニ(San Giovanni)駅から徒歩3分。

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂(Basilica di Santa Maria Maggiore)

ローマ4大バジリカの一つ。聖母マリアにささげられた聖堂の中で世界最大の聖堂だそうです。一時的に教皇宮殿だった歴史も持ちます。

未訪問。テルミニ駅の近くで歩いて7分ぐらい。危ないといわれるテルミニ駅の南側ですので、歩いていく際には十分な注意が必要かもしれません。

サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(Basilica Papale San Paolo fuori le Mura)

ローマ4大バジリカの一つ。もともとは聖パウロを祀る小さな聖堂だったようですが、テオドシウス1世の時代に現在のような大聖堂となりました。勝利の門、モザイク画、回廊、中庭が見どころだそうです。世界遺産の登録名にもなっているぐらいですから、特別な位置づけにあるのかもしれませんね。未訪問。ローマの南側にあります。

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カラカラ浴場(Terme di Caracalla)

212年から216年にかけて作られたカラカラ浴場は、1,600人も利用できたという大きな公衆浴場。ここには図書室などもあり、一大娯楽センターといった趣だったようです。水路が断たれ537年に浴場としては機能しなくなったそうです。

行くには行ったのですが、お休みに入っていました。ローマの南側。地下鉄B線のチルコ・マッシモ駅(Circo Massimo)駅から徒歩約9分。

パンテオン(Pantheon)

紀元前25年にさまざまな神を祀る万神殿として建設されましたが、火災で焼失。118~128年に再建されました。建物の天井中央に丸い開口部があるのが特徴的です。採光のためらしいですが、ふさいでもよさそうな気もします。光が差し込む効果を狙ったものでしょうか。ラファエロの墓もここにあります。

サンタンジェロ城(ハドリアヌス霊廟):Castel Sant’Angelo(Mausoleum Hadriani)

サンタンジェロ城の起源は、123~139年に建設されたローマ五賢帝の一人、皇帝ハドリアヌスの霊廟。そのため、ハドリアヌス霊廟とも呼ばれています。

5世紀に軍事施設として使われはじめ、城壁の一部にもなったようです。14世紀には要塞となり、その後、牢獄として使われたといいます。

アウグストゥス廟(Mausoleo di Augusto)

初代ローマ皇帝のアウグストゥスが紀元前28年に建設した霊廟です。アウグストゥスをはじめ歴代の皇帝や一族なども埋葬されています。現在、修復工事などが行われています。

近くには、アウグストゥスがヒスパニアとガリアで大勝利したことを称えるためにつくられたアラ・パキス(平和の祭壇)を復元展示している博物館もあります。

トラヤヌスの記念柱(Colonna Traiana)

ローマ皇帝トラヤヌスのダキア戦争の勝利を記念して107~113年に建立された記念の円柱モニュメント。柱には、ダキアへの遠征を描いたレリーフが彫られています。柱の高さは約30メートル。映画「ローマの休日」のタイトル・バックにもこの記念柱のレリーフが登場します。

マルクス・アウレリウスの記念柱(Colonna di Marco Aurelio)

トレビの泉近くのコロンナ広場にあるローマ皇帝マルクス・アウレリウス(121~180年)の記念柱。トラヤヌスの記念柱にならって建設されたようです。193年完成。未訪問。

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そのほかにもパラティーノの丘、ナヴォーナ広場、ポポロ広場、トレビの泉、スペイン広場、サンタ・マリア・イン・ゴスメディン教会(真実の口)、黄金宮殿なども世界遺産に含まれるようです。というか、ローマには他にも含まれていて当然の名所・旧跡・史跡・歴史的建造物だらけです。

ローマ歴史地区へのアクセス・行き方

特に説明の必要もないと思いますが、フィウミチーノ国際空港からレオナルド・エキスプレスでローマの中央駅のテルミニ駅まで約30分。テルミニ駅からは地下鉄などで歴史地区の各所へ行けます。

ひとこと

ローマの街中全部世界遺産といってもいいぐらいですが、ほんとにローマの街中は遺跡・史跡の宝庫です。見どころがあちこちにあるので、歩いてみて回るには大変かもしれませんが、要所要所で、防犯に十分に注意しながら歩いてみるといろいろな発見があるかもしれません。

映画が好きな私としては、「ローマの休日」や「天使と悪魔」などのロケ地としても楽しめるところがいっぱいでした。

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info

Historic Centre of Rome, the Properties of the Holy See in that City Enjoying Extraterritorial Rights and San Paolo Fuori le Mura

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