オランジュリー美術館 - モネの「睡蓮」に包まれる美術館

オランジュリー美術館/Musée de l’Orangerie:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想、最新情報など

オランジェリー美術館は、モネの「睡蓮」を展示するためにつくられた美術館。「睡蓮」に包まれるのはこの美術館の大きな魅力です。大きな美術館ではありませんが、モネをはじめ印象派やポスト印象派の作品を数多く収蔵・展示しています。

 

オランジュリー美術館の歴史・沿革

オランジュリー美術館は、モネの「睡蓮(仏:Nymphéas、英:Water Lilies)」を収蔵・展示するために誕生した美術館です。その建物は、もともとはオレンジやレモンなどの柑橘類を冬の寒さから守るための温室的な建物=orangerie(オランジュリー)で、ナポレオン3世の命により1852年に建設されました。このオランジュリー(orangerie)という言葉自体、オレンジに由来する言葉のようです。

1918年、クロード・モネは「睡蓮」を寄贈することを政府に申し出ました。これを受けて、当初は存命の作家の美術館に改装される予定だったオランジュリーですが、1920年(1921年?)にジョルジュ・クレマンソー元首相の提言で、モネの「睡蓮」を展示する美術館にすることになりました。オランジュリーのガラス天井からの光が降り注ぐ空間が「睡蓮」の展示環境としてまさにうってつけ、理想的だと考えたのでしょう。1922年に「睡蓮」の寄贈が正式に決定。モネが86歳で亡くなったおよそ半年後の1927年5月27日に「クロード・モネ美術館(Musée Claude Monet)」として開館しました。

その後、1959年に、ルノワールセザンヌモディリアーニマティスピカソドランスーティンルソーユトリロなど印象派から1930年までのフランス画家やフランスで活躍した外国人画家の主要作144点からなる「ジャン・ヴァルテール&ポール・ギヨーム・コレクション」がフランス政府の所有となり、この美術館に展示されることになりました。

展示スペースが不足していたので、1960年代に「睡蓮」の展示室上部に展示スペースが設ける改築が行われました。これにより「睡蓮」の展示室に自然光が入らなくなってしまいました。また、動線的にも不都合が生じたようです。

そのため、「睡蓮」の展示室に光を取り戻すこととコレクションのために十分な展示スペースを設けることを大きな狙いとして、1999年8月から休館し2000年からおよそ6年間をかけて、地下に展示室を設けるとともに「睡蓮」の上部構造物を取り除くなどの大改装が行われました。ちなみに、6年もの時間を要したのは地下から遺跡が発見されたからのようです。

こうして「睡蓮」は光を取り戻し、オランジュリー美術館は、2006年5月にリニューアル・オープンしました。

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「睡蓮」に包まれる心地よさ

「睡蓮」は、パネル8枚の連作で、高さは2m、幅を合計すると91mにもなる大作。楕円形の展示室2室に展示されています。改築の効果で淡い光にあふれ、作品と対話するのにふさわしい空間になっています。もちろん、ゆっくりと鑑賞することができるかどうかは、他の鑑賞者しだいではありますが…(私が訪れた時は、混雑はしていなかったのですが、インスタ映え狙いなのか残念な人がいました)。

曜日別・時間帯別の混雑状況

ウエブ・サイトに美術館の曜日別・時間帯別混雑状況の目安が掲載されています。

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上記は英語ページです。「睡蓮」をゆっくり見たいということでしたら、参考にするのも良いと思います。

印象派から1930年代までの美術を回顧できるコレクション展示

この美術館のもう一つの柱、「ジャン・ヴァルテール&ポール・ギヨーム・コレクション」がある地下2階の展示室では、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソ、モディリアーニ、ドラン、ローランサン、ルソー、ユトリロなどの作品を通じて、印象派から1930年代までの美術を回顧することができます。また、小規模ですが現代作家の作品も展示されています。

また、地下2階には、企画展示室もあり、私が訪れた時には、「ダダ アフリカ、非西洋からの発生と影響」という企画展が2017年10月18日から2018年2月19日の会期で開催されていました。

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英語のガイド・ツアーもある教育普及活動

ガイド・ツアー、ギャラリー・トーク、ワークショップ、講演・講義、コンサートなどの教育普及プログラムを行っています。

見たいと思ったのは、「睡蓮」の展示室で行われるダンスのパフォーマンスやピアノ・コンサートです。ダンスは月に1回、コンサートは2か月に1回程度、開催されているようです。

週に1回程度、英語のガイド・ツアーもありますが、有料で6ユーロです。美術館の場合、ガイド・ツアーは無料のことが多いと思いますが、有料というのが興味深いところです。有料のためかはわかりませんが、所要時間は1時間30分とかなり長めです。

また、音声ガイドは日本語を含めて10か国語で用意されています。5ユーロ。

さすがと思ったのは、目の不自由な方のための「磁気誘導ループ(磁気ループ、ヒアリング・ループ、Magnetic loops)」という補聴器に案内音声を送ることができる設備が受付などのサービス施設に設けられていることです。

オランジュリー美術館へのアクセス・行き方

地下鉄1・8・12番線のコンコルド(Concorde)駅から歩いて5分程度です。コンコルド広場に面していて、チュイルリー公園の一角にあります。

最新情報

2019年9月21日から2020年1月13日までの会期で、横浜美術館で「横浜美術館開館30周年記念 オランジュリー美術館 ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展の開催が予定されています。70点ぐらいがオランジュリー美術館から来るようです。楽しみですね。

心配なセーヌ川の増水

改築により「睡蓮」が光を取り戻し、コレクションの展示スペースが確保できたのは良かったのですが、一方で、セーヌ川にほど近いことを考えると、地下の展示室は洪水が起きてしまった時のことが心配です。2018年1月にセーヌ川が増水した際には、ルーブル美術館も収蔵品を上部に移動させる措置をしたのがニュースにもなりましたが、この時、オランジュリー美術館はどのような対応をしたのでしょうか。止水対策はしているのでしょうが、やはり地下の展示室は心配がありますね。

info

Musée de l’Orangerie

  • 訪問日: 2017年12月13日
  • 開 館: 1927年5月27日
  • 入館者数: 780,000人(2016年)
  • 所在地: フランス・パリ(Jardin des Tuileries, Place de la Concorde, 75001 PARIS)
  • アクセス:地下鉄1・8・12番線のConcorde駅から徒歩5分
  • 入館料: 9ユーロ(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり
  • 開館時間: 9時~18時 ※「睡蓮」の公開時間が限定されることがあるようです。詳しくはウエブ・サイトをご確認ください
  • 休館日: 火曜日、5/1、7/14午前、12/25
  • 公式サイト : http://www.musee-orangerie.fr/

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訪問した日の旅行記です。