バチカン市国 - カトリックの総本山の国がまるごと世界遺産

サン・ピエトロ大聖堂、サン・ピエトロ広場、バチカン宮殿

バチカン市国/Vatican City State(Status Civitatis Vaticanae) : 概要、歴史、見どころ、アクセス・行き方、感想など

皇居のおよそ1/3の面積という世界一小さな国・バチカン(ヴァチカン)市国は、カトリックの総本山。1984年に国全体が世界遺産に登録されました。連日、多くの信者や観光客で賑わっています。

 

バチカン市国の概要・歴史

バチカン市国がある場所は、およそ3000年前には「ネクロポリス(死者の都)」といわれる墓所だったようです。ここにキリスト教の12使徒の一人・ペトロが64年頃に埋葬され、349年にペトロの墓の上にサン・ピエトロ聖堂が建設されました。この聖堂は15世紀末まで存在し、その後、現在の聖堂に建て替えられました。

1861年にイタリアが統一された時、バチカンを含むローマは教皇領でありイタリア王国には含まれていませんでした。しかし、1870年にイタリア軍がローマに侵入し併合。これにより「ローマ問題」とよばれるバチカンとイタリア政府の対立が生じました。

この対立が解消したのは1929年。イタリアとバチカンとの間でラテラノ条約が結ばれ、バチカンが独立国家となりました。

バチカン市国の面積は、0.44平方キロメートル。これは皇居(1.15平方キロメートル)のおよそ1/3です。人口は809人(2016年現在)で、大部分は聖職者、修道士、修道女。日常的な使用はしないようですが、公用語はラテン語です。

カトリックの総本山で、連日多くの信者が訪れていますが、カトリックの信者は全世界に12億人以上いて、そのうち日本には45万人ぐらいいるそうです。

サンタンジェロ城から見るサン・ピエトロ大聖堂

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世界遺産「バチカン市国」の主な見どころ

サン・ピエトロ大聖堂

サン・ピエトロとは、「聖ペトロ」のことで、この地がペテロの埋葬地だったことから名づけられました。

現在の聖堂は、1502年(1505年?1506年?)に建築が始まり、完成し献堂式が行われたのは1626年のこと。建築にはラファエロやミケランジェロも携わっています。

大聖堂は、高さ約120m、最大幅約156m、長さ211.5mで床面積は、23,000平方メートル。なんと6万人を収容できるといいます。空間の大きさや美しさ、荘厳さに圧倒され感動します。

ミケランジェロが設計したともいわれる中央のドーム部分/クーポラに登れるはずなのですが、入り口を見つけられず見落としてしまいました。30年ほど前に訪れた時には上って、ローマの街が一望できたのを覚えています。また、ミケランジェロのピエタも大聖堂内にあるはずなのですが、見落としてしまいました。残念です。

今回訪れたのは、12月24日と25日。クリスマスです。堂内はクリスマスを迎える厳かさと生中継を含むミサの準備の双方を見ることができました。

サン・ピエトロ大聖堂のプレゼピオ

プレゼピオとは、キリストの降誕シーンをテーマとした模型で、クリスマス・シーズンに教会などに設置されます。24日まではキリストがいるべき場所は空いていますが25日を迎えるとともに赤ん坊のキリストが置かれます。

サン・ピエトロ広場

サン・ピエトロ大聖堂の前に広がるやや楕円形をした広場。完成したのは1667年。

広場を取り囲む円柱は284本あり、回廊になっていて、その上部には140体の聖人像が設置されています。中央にはエジプトから運ばれたオベリスク。オベリスクは異教のものだと思うのですが、なぜカトリックの総本山のど真ん中にあるのでしょう?

サン・ピエトロ広場のプレゼピオ

オベリスクの足元にプレゼピオが設置されていました。

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バチカン宮殿

サン・ピエトロ大聖堂ともつながっているローマ教皇の住居ですが、バチカン美術館の一部にもなっています。この宮殿内には、ラファエロの間もあるので、バチカン美術館を見学すると、バチカン宮殿も訪れることになります。

システィーナ礼拝堂

こちらもバチカン美術館の一部にもなっていて、バチカン宮殿ともつながっています。

もともとあった古い礼拝堂を1477年から1480年にかけて建て直したもので、建て直しを命じた教皇シクストゥス4世にちなんでシスティーナ礼拝堂と名付けられたそうです。ここはなんといってもミケランジェロの天井画と「最後の審判」が見どころです。1979年の試験的な修復の後、1980年から1999年に本格的な修復が行われたことにより、とても素晴らしい状態で見ることができます。この修復は日本テレビの資金提供により行われました。

30年ほど前はまさに修復中で足場が組まれていました。以前は、バチカン美術館の一部ではなく、ここだけを見学できたように記憶しているのですが、記憶違いでしょうか。

内部は写真撮影禁止です。

バチカン美術館

バチカン美術館は、公式サイトによると26の美術館・博物館・ギャラリーなどからなるミュージアムの集合体です。その歴史は、教皇ユリウス2世が古代の彫刻を展示した1506年にさかのぼります。2017年は世界中から約643万人が訪れました。

数々の見どころがあるバチカン美術館ですが、人気なのは、システィーナ礼拝堂、ラファエロの間、地図の間などです。また、絵画館もとても素晴らしい絵画を所蔵しています。

バチカン美術館の記事

庭園

ガイド・ツアーでないと入れないようですが、とても美しい公園のようです。

バチカン市国へのアクセス・行き方

地下鉄A線のオッタヴィアーノ(Ottaviano)駅から、サン・ピエトロ大聖堂まで歩いて約10分、バチカン美術館までは歩いて約7分です。

ひとこと

サン・ピエトロ大聖堂には、素直に圧倒され感動しました。その厳かな雰囲気といい、カトリックの威光も感じます。また、システィーナ礼拝堂で「最後の審判」を見ることができて良かったです。

info

Vatican City State(Status Civitatis Vaticanae)

  • 訪問日 : 2017年12月24日
  • 所在地 : イタリア・バチカン
  • アクセス : 地下鉄A線のOttaviano駅からサン・ピエトロ大聖堂まで徒歩約10分、バチカン美術館までは徒歩約7分
  • 登録年 : 1984年
  • 登録区分 : 文化遺産
  • 開 館 : -
  • 入館者数 : -
  • 入館料 : -
  • 開館時間 : -
  • 休館日 :-
  • バチカン市国公式サイト :  http://www.vaticanstate.va/content/vaticanstate/it.html
  • ユネスコ世界遺産センターURL : http://whc.unesco.org/en/list/286

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訪問した日の旅行記です。