サンタンジェロ城(Castel Sant’Angelo):見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など
サンタンジェロ城は、ハドリアヌス帝の霊廟として建設されましたが、その後、要塞、避難所、監獄などとして活用された歴史を持つ城です。現在は博物館としても活用されています。ここからのサン・ピエトロ大聖堂などの眺望はとても素晴らしく一見の価値ありです。
サンタンジェロ城の概要・歴史・沿革
サンタンジェロ城は、もともとは「ハドリアヌス廟(Mausoleum Hadriani)」と呼ばれていました。これは古代ローマ時代の五賢帝の一人、ハドリアヌス帝(在位117年~138年)が自分の霊廟として建設を命じ、西暦135年から139年にかけて作られたからです。138年にハドリアヌス帝が亡くなると、完成前ですが遺骨が安置されました。
しかし、401年頃より要塞化が始まり403年にはアウレリアヌスの城壁の一部となった後、遺骨や装飾品は失われてしまったようです。サンタンジェロ城の名前は、大天使ミカエルに由来します。590年に大天使ミカエルが霊廟の上にあらわれ、剣を鞘におさめる姿が目撃されました。当時、ローマではペストが流行していましたが、剣が鞘におさまるのがペストの終焉を象徴すると理解されたようです。
時代はだいぶ下りますが、14世紀以降は、歴代のローマ教皇により要塞化が推し進められました。ヴァチカンとは、13世紀には万が一の際には避難路となる長さ800mの秘密の通路“ パッセット・ディ・ボルゴ(Passetto di Borgo)”でつながっていたようです。実際のところ、この城は1527年の神聖ローマ帝国による「ローマ略奪」の際には教皇の避難所にもなったようです。期間限定かもしれませんが、この通路などを巡るガイド・ツアーもあり、ホームページによると10時から英語のツアーが行われているようです。5ユーロ、15人限定。ちなみに、秘密の地下道はあるんでしょうかね?
その後、サンタンジェロ城は教皇の住居や監獄などにもなりました。
イタリア統一後まもなくしてサンタンジェロ城を博物館にする計画があったようですが、実際に博物館となったのは、20世紀になってから。1925年?頃のようです。
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サンタンジェロ城の見どころ、展示
サンタンジェロ城の城内は博物館として絵画や彫刻、武具などが展示されています。公開エリアは7フロアにわかれています。
城の内部や展示も興味深く見学できるのですが、イチ押しは、屋上の眺望です。サン・ピエトロ寺院やローマの街並みはなかなかの景色です。とても眺めの良いカフェもあります。夕暮れのサンタンジェロ城は、かなり素敵な雰囲気でした。
サンタンジェロ城と映画
サンタンジェロ城といえば、個人的には、大好きな映画「ローマの休日」です。サンタンジェロ城内部が登場するわけではないのですが、サンタンジェロ城前のテヴェレ川でのダンス・パーティシーン。アン女王がギターでシークレット・サービスをぶっ叩くところとか川に飛び込むシーンなどとてもよかったです。川からあがって震えているところもチャーミングでした。
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もう1本思いだすのは、トム・ハンクス主演の「天使と悪魔」。大天使ミカエル像をはじめ、かなり重要なシーンとしてサンタンジェロ城が登場します。この映画にもローマ各地が登場しますし、ロケ地めぐりをしても楽しいです。
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サンタンジェロ城へのアクセス・行き方
地下鉄A線のレパント(Lepanto)駅からは15分ぐらい、サン・ピエトロ大聖堂からは歩いて9分ぐらいです。
ひとこと
正直なところ、あまり期待はしていなかったのですが、かなり興味深く見学できました。ここからのローマの街並みの眺め、特にサン・ピエトロ大聖堂の眺めはかなり良くお勧めできます。
info
Castel Sant’Angelo
- 訪問日: 2017年12月31日
- 開 館: 1925年?から博物館として公開
- 入館者数: 1,155,244人(2017年)
- 所在地: イタリア・ローマ(Lungotevere Castello, 50, 00193 Roma)
- アクセス:地下鉄A線のLepanto駅から徒歩約15分、サン・ピエトロ大聖堂から徒歩約9分
- 入館料: 14ユーロ(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり
- 開館時間: 9時~19時30分 ※夏期は夜間の延長開館も行われているようです
- 休館日: 1/1、5/1、12/25 ※月曜日も休みかもしれません
- 公式サイト : http://castelsantangelo.beniculturali.it/
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