プラナカン博物館 - シンガポールで重要な役割を果たしているプラナカンの伝統文化を紹介している博物館

プラナカン博物館

プラナカン博物館/Peranakan Museum:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など

15世紀から数世紀にわたってこの地にやってきた外国貿易商と現地女性の間に生まれた主に中国系移民の子孫のことをプラナカンといいます。この博物館ではプラナカンの伝統的な文化などを紹介しています。アジア文明博物館の姉妹博物館です。

 

プラナカンとは

「プラナカン」は、マレー語で「~生まれの」「この地で生まれた」「子孫」などを意味する言葉です。15世紀後半から数世紀にわたって、マラッカ海峡周辺のこの地にやってきた外国貿易商人と現地女性の間に生まれた子孫のことを指します。プラナカンのほとんどは中国系(特に福建)だそうです。

なお、プラナカンについて、現地女性との婚姻には触れずに単純に中国系移民の子孫を指すという記述もありました。プラナカン博物館のリーフレットでは貿易や商売のために遠いところからやってきて現地の女性と結婚し生まれた子孫と書かれています。

プラナカン博物館の歴史・沿革

プラナカン博物館の開館は、2008年4月25日で比較的新しい博物館です。

この博物館は、1912年に建てられた中国の福建人のための近代的な学校「道南学校(Tao Nan School)」の建物を利用しています。

プラナカン博物館の以前には、アジア文明博物館が1994年から使用していました(※アジア文明博物館の開館は1997年3月2日なので、準備室が設けられたり改装工事が始まったのが1994年という意味だと思います)。2003年にアジア文明博物館は新しい建物に移転し、この建物は分館として機能していましたが、2006年1月に閉館し改装されることになりました。改装後の利用方法としては、子ども博物館や陶磁器博物館とする案もあったようですが、結局、プラナカン文化に特化した博物館となりました。

このような経緯からもわかるように、プラナカン博物館とアジア文明博物館は姉妹関係にあります。

9つの展示室でプラナカン文化を多角的に紹介

プラナカン博物館は、東南アジアのプラナカン・コミュニティのアートや文化を探究するとともに、プラナカンに関する最も質が高く包括的な資料を収集・保存することを大切にしています。

The Peranakan Museum explores the art and culture of Peranakan communities in Southeast Asia, and possesses one of the finest and most comprehensive public collections of Peranakan objects.

~プラナカン博物館のホームページより~

3フロアに分かれて9つの展示室があり、プラナカン文化が多角的に紹介されています。

1階では「起源(Origins)」のテーマで、プラナカン文化の始まり、淵源を探っています。2階は「結婚(Wedding)」に関する展示が4室で行われています。3階は「言語と服飾(Language and Fashion)」「信仰(Religion)」「社会生活(Public Life)」「食と饗宴(Food and Feasting)」の4つのテーマの展示があります。また、2階と3階に企画展示室もあります。

見どころはいくつもありますが、結婚に関する展示がとても充実しています。12日間にもわる結婚式。プラナカン文化において結婚が重要な位置づけだったことがわかります。新婚夫婦用のベッドが目を引きました。また、服飾や装飾品なども美しいものが数多く展示されていました。

日本語ガイド・ガイドツアーもある教育普及プログラム

家族向けや講演会などの教育普及プログラムが行われています。また、英語、中国語、フランス語に加え、日本語の常設展示のガイド・ツアーが行われています。所要時間は45分から1時間程度。

日本語のガイド・ツアーは、シンガポールに滞在している日本人ボランティア団体によるもので、月曜から金曜までの毎日10時30分からと第3土曜の13時からです。この団体はシンガポール国立博物館やアジア文明博物館でも日本語ガイド・ツアーを行っています。

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プラナカン博物館へのアクセス・行き方

MRT(地下鉄)の東西線(East West Line)・南北線(North South Line)シティ・ホール(City Hall)駅またはサークル線(Circle Line)のブラス・バサー(Bras Basah)駅から歩いて10分ぐらいです。

ひとこと

シンガポールを含むマラッカ海峡周辺は古くから人や物が行き交う交流の拠点で、富を求めて中国をはじめいろいろなところから多くの人々がやってきました。プラナカン文化とはまさにそうした土地だからこその文化なのでしょう。

また、シンガポールの国の成り立ちを見ると、中国系の人々が重要な役割を果たしてきていることがわかります。この博物館は、特に中国系プラナカンのアイデンティティ確認の場なのかもしれません。

info

プラナカン博物館/Peranakan Museum

  • 訪問日: 2018年1月22日
  • 開 館: 2008年4月25日
  • 入館者数: -
  • 所在地: シンガポール(39 Armenian Street, Singapore 179941)
  • アクセス: MRTのEast West Line・North South LineのCity Hall駅またはCircle LineのBras Basah駅から徒歩約10分
  • 入館料: 13シンガポール・ドル(大人・個人・当日・外国人) ※参考:シンガポール人・永住者は無料(企画展は有料)
  • 開館時間: 10時~19時 ※金曜日は21時まで開館
  • 休館日: 休館日なし?
  • 公式サイト : https://www.peranakanmuseum.org.sg/

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訪問した日の旅行記です。