ナポリ国立考古学博物館 - ナポリで外せない博物館。遺跡が先か、博物館が先か?

ナポリ国立考古学博物館

ナポリ国立考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale di Napoli):見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など

ポンペイやエルコラーノなどから発掘されたものをはじめ考古学資料が充実している博物館です。もう一つの柱のファルネーゼ・コレクションは素晴らしい彫刻がいっぱい。ナポリでぜひ訪れたい博物館です。

 

ナポリ国立考古学博物館の歴史・沿革

この博物館の開設年は、公式サイトなどを見てもよくわからなかったのですが、コレクションは、1734年にナポリ王国の王となったブルボン家(アンジュー家)のカルロス(カルロ)3世と密接な関係があります。カルロス3世は、ヴェスヴィオ火山の噴火で埋もれてしまったエルコラーノとポンペイの発掘を始めるとともに、母親のエリザベッタ・ファルネーゼから受け継いだコレクションをローマやパルマからナポリに移し「ファルネーゼ博物館」とすることを推進しました。こうして発掘された遺物とファルネーゼ・コレクションの二大コレクションが形成されました。

1759年に即位したカルロス3世の息子・フェルディナンド4世は、ナポリの南、約8kmのポルティチ宮殿内の「エルコラーノ博物館」に既に展示されていたこの二大コレクションを、現在の建物に移設することにしました。

この建物は、16世紀末に馬の調教場として建設されたものの、1616年から1777年まで大学として使われました。1777年から建物の改装が始まりましたが、工事は長期にわたり、1806年から1815年のフランス支配下の時代に最初の改装が終わったようです。そして1816年にブルボン家がナポリに戻ると博物館は「ブルボン王立博物館」と呼ばれるようになりました。この博物館には図書館やデザイン・アカデミー、パピルス工房なども含まれていたようですが、後に移転しました。

1860年にナポリがイタリアに統一されると、博物館は国立となります。1957年には絵画コレクションがカーポディモンテ美術館に移管され、現在の考古学博物館のかたちになりました。

建物の延床面積は18,500平方メートル。そのうち8,550平方メートルが展示スペースで、6,000平方メートルが収蔵庫、3,400平方メートルが図書室、修復工房、事務所などとして使われています。

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幅広い考古学資料の展示

日本語のフロア・ガイド(パンフレット)がありますので、ぜひ入手しましょう。それを見ながら見学すれば見逃しがないと思います。

展示は4フロアに分かれています。地下は古代エジプトのコレクションなど、1階はファルネーゼ・コレクション、2階と3階がポンペイをはじめとする考古学コレクションです。地下と2階は展示室の数も少なく、メインは1階と3階です。ただ2階には後にのべる「秘密の小部屋」があるので、見逃さない方が良いと思います。また、3階には「日時計の大広間」という広くてとても美しい部屋があります。天井画もとても豪華で、この博物館の見どころの一つでしょう。

 エジプト・コレクション

規模は大きくはないですが、ミイラなども展示されている古代エジプトの展示室があります。ここにあった棺の変遷の解説パネルはかなりわかりやすく興味深かったです。

ファルネーゼ・コレクション

カルロス3世が母親のエリザベッタ・ファルネーゼから受け継いだコレクション。宝石などもありますが、メインは彫刻のようです。彫刻は確かに美しいもので、人体の美しさを活写していました。

ポンペイなどから発掘された考古学資料

ポンペイやエルコラーノなどから発掘された遺物はもちろんですが、先史時代や他の場所で発見されたものまで含めて幅広く考古学資料が展示されています。

ポンペイ関連の展示ももちろん充実しています。現地よりも博物館の方が、保存も含めて良い状態で管理し公開できるものも少なくないでしょう。ポンペイ遺跡の前に行くか後に行くかは悩みどころですが、セットで訪れたいことは間違いないと思います。ポンペイ遺跡全体の模型もあります。

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14禁の「秘密の小部屋」

ポンペイ遺跡では、かなりストレートな表現で男女交合など官能的なシーンを描いた壁画や彫刻などが発掘されています。こうしたものが一部屋に集められています。

こちらでは、18禁ならぬ14禁でのようで、14歳以上でないで展示室に入ってはいけない旨の表示がありました。

こうした部屋があるのを知らなかったというか、ポンペイからエロティックなものが発掘されているのを知らなかったので、ちょっと驚きました。とてもおおらかといえばおおらかなので、いやらしい感じはしないのですが、抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。

企画展

古代ローマの時代のあと、5~6世紀の頃、ナポリは、ロンバルディア族の影響下に入ったようですが、それに関する企画展をやっていました。また、別のところでなぜかサッカーの企画展もやっていました。

ナポリ国立考古学博物館へのアクセス・行き方

地下鉄1号線のムゼオ(Museo)駅のすぐ近く、歩いて1分ぐらいです。地下鉄2号線だとピアッツァ・カヴール(Piazza Cavour) 駅から歩いて5分ぐらいです。

2017年の入館者数

2017年のナポリ国立考古学博物館の入館者数は525,667人でした。立地や規模などを考えると、かなり健闘しているのではないでしょうか。ちなみに、ポンペイ遺跡の入場者数は3,382,240人です。

ひとこと

ナポリでは外せない博物館だと思います。ポンペイ遺跡に関する展示が見どころなのは間違いなく、それを目当てに行く人が多いと思いますが、ポンペイ以外の展示も意外に多いことは頭に入れておいた方がいいと思います。そうでないと、「もっとポンペイが多いかと思っていた」となりますので。あとは「秘密の小部屋」があるのは事前に知っておいた方がいいかもしれません。この博物館のもう一つのみどころはファルネーゼ家の彫刻コレクションだと思います。こちらも楽しんではいかがでしょうか。

info

Museo Archeologico Nazionale di Napoli

  • 訪問日: 2017年12月28日
  • 開 館: -
  • 入館者数: 525,667人(2017年)
  • 所在地: イタリア・ナポリ(Piazza Museo, 19, 80135 Napoli)
  • アクセス: 地下鉄1号線のMuseo駅から徒歩約1分。地下鉄2号線Piazza Cavour 駅から徒歩約5分
  • 入館料: 12ユーロ(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり
  • 開館時間: 9時~19時30分 ※5/12~9/29の間は、毎週木曜日は23時まで開館しているという記載がホームページにありました
  • 休館日: 火曜日(祝日にあたる場合は翌日)、1/1、12/25 ※5/1も休みかもしれません
  • 公式サイト : https://www.museoarcheologiconapoli.it/

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