サンセヴェーロ礼拝堂美術館(Museo Cappella Sansevero):見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など
サンセヴェーロ礼拝堂美術館は、もともとは礼拝堂ですが、現在は美しい彫刻や絵画などを見ることができる美術館として機能しています。大理石の「ヴェールに包まれたキリスト像」は必見です。
※内部は撮影禁止のため、写真はありません。
サンセヴェーロ礼拝堂の歴史・沿革
サンセヴェーロ礼拝堂のある場所は、公式サイトによると、伝説的な出来事があったところです。
1590年頃、無実の男が鎖につながれ獄に向かう途中、ここにあった壁(サン・ドメニコ・マジョーレ広場にあったサングロ邸の庭園の壁)が崩れ、聖母マリアの姿形が現れたそうです。男は、その姿に、もし自分の無実が証明されたら銀のランプを捧げることと信心することを誓いました。男は釈放され、その約束を守ったそうです。こうしてこの場所は巡礼者が集まるところになりました。
その出来事のしばらく後、トッレマッジョーレ公のジョバンニ・フランセチェスコ・ディ・サングロ(Giovan Francesco di Sangro)が重病となりましたが、その回復を聖母マリアに願い、奇跡的に回復しました。ジョバンニ・フランセチェスコ公は、感謝のしるしとしてこの地に小さな礼拝堂を建てました。
そしてジョバンニ・フランセチェスコ公の息子が17世紀初頭に、小さな礼拝堂を大きな一族の霊廟にしました。当時の様子はあまりとどめていないようで、現在の姿は、第7代サンセヴェーロ公のライモンド・ディ・サングロ(Raimondo di Sangro)の時代にかたちづくられました。
美術館としての礼拝堂
現在、礼拝堂は美術館として公開されています。
内部は撮影禁止なので、写真をご覧いただけないのが残念ですが、ここにある天井画や彫刻の数々はとても素晴らしいものだと思います。
中でも一番驚かされたのは、「ヴェールに包まれたキリスト像(Cristo Velato)」。1753年に彫刻家ジュゼッペ・サンマルティーノにより制作された大理石の彫刻です。十字架から降ろされ、薄布に包まれているキリストの姿。その繊細さ、透明感、リアリティはちょっとすごすぎます。とても大理石とは思えません。
もう一つの注目は、人体解剖模型「マッキナ・アナトミケ(macchine anatomiche)」。男女それぞれ1体ずつあります。女性は妊婦だとか。医師のジュゼッペ・サレルノ(Giuseppe Salerno)が18世紀後半に製作しました。当初、プラスティネーションと思われていたようですが(私も最初、本物の人体を使ってなんらかの加工をしたのかと思いました)、模型とは思えないほど血管や内臓などがものすごくリアルに作られています。なぜ18世紀にこのような模型を作れたのかいまだに謎だそうです。
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サンセヴェーロ礼拝堂美術館へのアクセス・行き方
地下鉄1号線のダンテ(Dante)駅から歩いて7分ぐらいです。危ないといわれるスパッカ・ナポリ地区にありますので、ご注意ください。
ひとこと
小さな礼拝堂美術館ですので、短時間で見終わってしまうかもしれませんが、「ヴェールに包まれたキリスト像」や人体解剖模型は一見の価値ありです。人体模型はかなりリアルに作られているので、ちょっとグロテスクと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
私が訪れた時は、観光シーズンだったのか他の観光ポイントとの関係かはわかりませんが、長い行列ができていて40分ほど待ちました。礼拝堂内は広くはないので入場制限をしていたためです。
※チケット売り場と入り口は違うので、チケットを買ってから並びました。
info
Museo Cappella Sansevero
- 訪問日: 2017年12月28日
- 開 館: -
- 入館者数: -
- 所在地: イタリア・ナポリ(Via Francesco de Sanctis, 19/21, 80134 Napoli)
- アクセス: 地下鉄1号線のDante駅から徒歩約7分
- 入館料: 7ユーロ(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり
- 開館時間: 9時~19時
- 休館日: 火曜日
- 公式サイト : http://www.museosansevero.it/
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訪問した日の旅行記です。