サヴォイア王家の王宮群 - イタリア王にもなったサヴォイア王家の栄華を見られる王宮群

王宮とカステッロ広場

サヴォイア王家の王宮群/Residences of the Royal House of Savoy:概要、歴史、見どころ、アクセス・行き方、感想など

1563年にサヴォイア公国の首都となったトリノ。以来、サヴォイア家により豪華な宮殿などが建設され、今日でもその繁栄、栄華を感じることができます。

 

サヴォイア家の歴史とトリノ

サヴォイア家のはじまりは、ウンベルト1世(980年頃~1047年?1048年?)で、サヴォイア伯と呼ばれ、伯爵位と領地が子孫に世襲されていきました。

公爵位を受けたのは、アメーデオ8世の時で1416年のこと。これによりサヴォイア伯領はサヴォイア公国となりました。その後、1563年にフランスのシャンベリからイタリア・トリノに首都がうつされ、都市計画に基づき街づくりが行われました。

1720年にサルダーニャ島(サルダーニャ王国)を獲得するとともに王位も得て、サヴォイア公国はサルダーニャ王国となりましたが、引き続き首都はトリノに置かれました。

リソルジメント(イタリア統一運動)ではサルダーニャ国・サヴォイア王家が中心的な役割を果たし、1861年、イタリアが統一されイタリア王国が誕生。サヴォイア王家は統一イタリアの王家となりました。統一時も首都はトリノに定められました。

サヴォイア王家の主な王宮群

王宮

王宮の建設は、1584年にカルロ・エマヌエーレ1世公がトリノの都市計画を行ったアスカニオ・ヴィトッツィに依頼し始まり、1648年にカルロ・モレッロが引き継ぎ、1658年に完成したようです。その後も、手が加えられ、18世紀にほぼ現在の姿になりました。王宮建設地はもともとは司教の邸宅があったところのようです。

現在、王宮自体が博物館になっていて、考古学博物館や美術館もあります。

【王宮についての紹介記事】

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マダマ宮

マダマ宮は、紀元前1世紀の頃にローマ帝国の城壁が作られた場所にあり、現在でもその遺構を地下で見ることがことができます。

その後、要塞として使われていたようですが、14世紀にサヴォイア家につながるアカイエ家により城になりました。アカイエ家が去った後、サヴォイア家の迎賓館やサヴォイア家の女性たちの住居となりました。

2006年のトリノ・オリンピックの時には国際オリンピック委員会のラウンジとして活用されたようですが、現在、市立古典美術館が置かれています。

【マダマ宮:市立古典美術館の紹介記事】

カリニャーノ宮

カリニャーノ宮は、サヴォイア家の分家・カリニャーノ家の邸宅として、1679年から1684年にかけて建設されました。バロック様式の建築でレンガ造りが特徴の一つです。イタリア統一後の初代国王となるヴィットーリオ・エマヌエーレ2世は1820年、ここで誕生しています。

1848年から1861年までカリニャーノ宮はこの地域の議事堂として使われ、1861年のイタリアの統一後は国会議事堂として使用されました。現在、国立のイタリア統一博物館としても活用されています。

【カリニャーノ宮とイタリア統一博物館の紹介記事】

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その他の主な王宮群

未訪問ですが、世界遺産に登録されている王宮群の主なものには次のような施設があります。

ヴァレンティーノ城

1564年に余暇を過ごす場所として購入されたといいます。現在はトリノ工学院の建築学部だそうです。

リーヴォリ城

リーヴォリにある14世紀からのサヴォイア家の城で15世紀以降に居住用に改築されたそうです。現在、現代美術館(Museo d’Arte Contemporanea)があります。

モンカリエーリ城

中世の古城を、徐々に拡張していった城だそうです。

カッチャ宮殿及びストゥピニージ宮殿

18世紀に狩猟用の宮殿として建築され、王宮よりも好んだ王がいたとか。現在、サヴォイア家の美術品や家具調度品を所蔵する博物館になっているそうです。

ヴェナリア城

ヴェナリア城は1675年に完成した夏の離宮、狩猟用の城で、ヴェルサイユ宮殿をモデルにしたそうです。

スペルガ聖堂

高さ669mのトリノを一望できる丘に立っている聖堂で、 18世紀にトリノの戦いでフランスに勝利した記念に建造されたそうです。サヴォイア家の墓所もあるようです。

トリノへのアクセス・行き方

ローマから鉄道だと4時間強、飛行機だと1時間強のようです。

ひとこと

トリノがイタリア国王ともなったサヴォイア王家の本拠地であったことを知ると、王宮群の豪華さ、華麗さもうなずけます。私は世界史に疎く、そうしたことを知らずにトリノを訪れてしまったのですが、世界史の知識があると、トリノ観光がいっそう楽しめると思います。

info

Residences of the Royal House of Savoy

  • 訪問日 : 2017年12月19、20、21日
  • 所在地 : イタリア・トリノ
  • アクセス : ローマから鉄道で4時間強。飛行機利用で1時間強
  • 登録年 : 1997年
  • 登録区分 : 文化遺産
  • 開 館 : -
  • 入館者数 : -
  • 入館料 : -
  • 開館時間 : -
  • 休館日 :-
  • イタリア政府観光局(日本語サイト)http://visitaly.jp/unesco/residenze-sabaude
  • ユネスコ世界遺産センターURL : http://whc.unesco.org/en/list/823

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訪問した日の旅行記です。