東洋美術館/Museo d’Arte Orientale:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など
東洋美術館はトリノにあるアジア専門の美術館。日本についての展示もかなり充実しています。
東洋美術館の概要・歴史
東洋美術館の開館は、2008年12月5日と比較的最近のことですが、そのコレクションはマダマ宮にある市立古典美術館から受け継いだものなどで、トリノ市、ピエモンテ州、地元企業であるフィアットの創業者の名を冠した財団(Fondazione Giovanni Agnelli)、トリノ発祥のヨーロッパ最大級の民間基金(Compagnia di San Paolo)などの協力で設立されたようです。
東洋美術館はマッツォーニ宮(Palazzo Mazzonis)という16、17世紀から貴族の邸宅だったところにありますが、この建物は、その後、1870年に繊維会社の所有になり、その時のオーナーにちなんでマッツォーニ宮と呼ばれるようになりました。1980年にトリノ市の所有になり、リノベーションが行われ裁判所として使われました。ここでは、イタリアで「鉛の時代(Anni di Piombo)」と呼ばれる1960年代から1970年代の「赤い旅団」などによるテロ、武装闘争に関する裁判が行われたようです。2004年からレストア工事が行われ2008年に完成、東洋美術館が開館しました。なかなかすごい建物の歴史です。
東洋美術館の目指すところ
東洋美術館は、アジアの歴史的な美術工芸を収集・保存、調査・研究、展示、普及するという美術館としての基本的な機能を持ちながら、作品と鑑賞者の、さまざまな世界と文化の「かけ橋」となることを目指しています。また、トリノやイタリアに住むアジアにルーツを持つ人々にその出自、アイデンティを思い出し気づき考えてもらう場となることも目指しているようです。
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5つの文化ゾーンに区分して展示
東洋美術館は、およそ2,200作品を所蔵していて、これらを南アジア・東南アジア、中国、ヒマラヤ、日本、イスラムの5つの文化ゾーンに区分して展示しています。
日本関係の展示は、意外といっては失礼ですが、思いのほか充実していました。仏像、武具甲冑、浮世絵、屏風・掛け軸など“定番”的な展示もありましたし、石庭や茶室などもありました。少し気になったのは照度です。ちょっと明るすぎるような気がしないではなかったです。照度計をもっていなかったので正確なことはわからないですし、専門の学芸員が照度はもちろん、紫外線、温湿度なども気にしながら展示しているでしょうから資料の保存上は問題ないのでしょうが。
企画展「忍者と侍」
ちょうど「忍者と侍」の企画展をやっていました。2017年12月8日~2018年4月2日が会期でした。“Ninja e Samurai ~Magia ed Estetica”ということですから訳すと「忍者と侍~術と美学」といったところでしょうか。武士シリーズ第2弾だそうです。
なんで、「忍者」と「侍」を並べているのかなどよくわからないこともありましたが、いろいろな角度から忍者や侍にふれられていて勉強になることもありました。また、こういう見方もあるのかという気づきもありました。
イタリアでは、漫画・アニメの「NARUTO~ナルト」が人気と聞いたことがあります。だから忍者の企画展というのは親しみやすいのかもしれませんね。
東洋美術館へのアクセス・行き方
ポルタ・スーサ(Porta Susa)駅からは1.3kmで歩いて約18分、ポルタ・ヌォーバ(PORTA NUOVA)駅からは1.8kmで歩いて約20分です。トリノ王宮からは歩いて7分程度と近くにあります。
ひとこと
トリノを訪れる観光客に人気ということはなさそうですが、地域の方がこういう美術館を訪れ他国の文化を知るのはとても良いことでしょう。私も日本の文化を考えるのに新たな見方というか刺激を受けました。
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info
Museo d’Arte Orientale
- 訪問日: 2017年12月20日
- 開 館: 2008年12月5日
- 入館者数: -
- 所在地: イタリア・トリノ(Via San Domenico 11, 10122 Torino)
- アクセス: Porta Susa駅から徒歩約18分、PORTA NUOVA駅から徒歩約20分
- 入館料: 10ユーロ(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり
- 開館時間: 火-金 10時30分~18時、土・日 11時~19時
- 休館日: 月曜日
- 公式サイト : http://www.maotorino.it/
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訪問した日の旅行記です。