上海博物館(Shanghai Museum):見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など
上海博物館は100万点近くをコレクションしている中国有数の博物館で、故宮博物館(北京)、南京博物館(南京)と並び、中国三大博物館の一つといわれています。青銅器や陶磁器などの古美術が充実しています。博物館というよりも美術館といった方が良いミュージアムです。
上海博物館の沿革と概要
上海博物館の開館は1952年。場所は現在、上海市歴史博物館(2018年3月開館)となっている旧上海レース・クラブ(租界時代の競馬場跡)の建物にありました。その後、博物館の発展にともない1959年に外灘に近い場所に移転しましたが、そこも手狭になったようで、新しい建物が建設されることになりました。人民広場にある現在の建物に移転オープンしたのは1996年10月12日のことです。
4階建ての建物の延床面積は39,200平方メートル。この建物は中国古代の宇宙観「天円地方(天は円く地は方形)」に基づきデザインされています。また鼎の形状をモチーフに取り入れているともいわれています。
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上海博物館のコレクションと展示
上海博物館は、青銅器、陶磁器、書画、玉器、象牙、漆、家具、甲骨、印章、貨幣、民族的な伝統工芸品など100万点近くを所蔵し、そのうち13万点が重要文化財だそうです。特に、青銅器や陶磁器、書画は国内外に誇れる第一級品を数多く所蔵していて、この博物館の見どころとなっています。
上海博物館には、常設展示室が10室(11コーナー)あり、1階には古代の青銅器や彫刻・塑像など、2階には陶磁器、3階には書画や印章など、4階には玉器・象牙、家具、貨幣、少数民族の伝統工芸品などが展示されています。素人目ですが、展示されているものは、どれも質が高いように感じられました。数も多く見ごたえがあります。特に、青銅器の展示は印象に残りました。
こちらの展示は、実物を美術館的に見せる展示が中心で、映像やグラフィック・パネルを使い解説・説明する展示はあまりありませんでした。
充実している企画展
この博物館には企画展示室が3室あり、適宜、企画展が行われています。私が訪れた時は、ロシア国立トレチャコフ美術館の名品展と山西博物院の所蔵する古代壁画芸術展という企画展(展覧会)が行われていました。
企画展はこちらでも集客の原動力のようで、多くの人で賑わっていました。
ホームページを見てみると、中国の古美術だけではなく、テート・ブリテンの風景画展やアクロポリス博物館の至宝展なども行われ、どことなく日本の美術館や博物館の企画展と似ているように感じました。
一通りある教育普及活動
中国語・英語・フランス語・日本語などの多国語オーディオ・ガイド、ガイド・ツアー、講演会、ボランティア、友の会、各種イベントなど、博物館の基本的・定番的な教育普及活動が行われています。また、カフェやレストラン、ショップなども整っています。日本語や英語などの外国語パンフレットも準備されていましたし、外国人の受け入れ体制も整っているようです。
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上海博物館へのアクセス・行き方
地下鉄1号線・2号線・8号線の人民広場(People’s Square)駅から歩いて10分弱です。
ひとこと
青銅器や陶磁器など中国の古美術が充実していて一見の価値ありで、上海観光で訪れたいミュージアムの一つだと思います。年間200万人以上が訪れるほどの人気です。
上海のミュージアムで良く見かけたのは、入場制限の人数。このミュージアムは8,000人でした。館内滞留人数が8,000人になると入場制限をするという意味だと思います。かなり大きなミュージアムですが、確かに8,000人も入っていれば制限が必要です。ちなみに、日本武道館は延床面積21,133平方メートル。客席面積ではないですが、そこに1万人が入ることを考えると、2倍近くの面積を持つとはいえ、展示ケースや大きな収蔵庫がある博物館ですから8,000人という人数制限もなんとなく納得できます。
info
上海博物館/Shanghai Museum
- 訪問日: 2018年1月30日
- 開 館: 1952年
- 入館者数: 2,109,000人(2017年)
- 所在地: 中国・上海(No.201 Renmin Da Dao Shanghai)
- アクセス: 地下鉄1号線・2号線・8号線の人民広場(People’s Square)駅から徒歩約10分
- 入館料: 無料
- 開館時間: 9時~17時
- 休館日 : 月曜日
- 公式サイト : https://www.shanghaimuseum.net/
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訪問した日の旅行記です。