カリニャーノ宮／イタリア統一国立博物館（Palazzo Carignano ／Museo Nazionale del Risorgimento Italiano）：見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など
イタリア統一国立博物館はカリニャーノ宮にあり、小国に分立していたイタリアの統一の歴史を学ぶことができる博物館です。カリニャーノ宮は世界遺産「サヴォイア王家の王宮群」のひとつです。
カリニャーノ宮の概要・歴史
カリニャーノ宮は、サヴォイア家の分家・カリニャーノ家の邸宅として、1679年から1684年にかけて建設されました。バロック様式の建築でレンガ造りが特徴の一つです。カリニャーノ家は1831年、サヴォイア本家の断絶によりサルデーニャ王位を継承しています。
後にサルダーニャ国王、イタリア統一後の初代国王となるヴィットーリオ・エマヌエーレ2世は1820年、ここで誕生しています。
1848年から1861年までカリニャーノ宮はこの地域の議事堂として使われ、1861年のイタリアの統一後は国会議事堂として使用されました。
現在、正面と思われている白いファサードは、19世紀に行われた増築の結果ですが、反対側にあるもともとの建築の赤茶色（レンガ色）のファサードとの対比が印象的です。
1997年に「サヴォイア王家の王宮群」を構成する施設として世界遺産に登録されました。
なお、カリニャーノ宮としても内部見学ができるようです。入り口は赤茶色のファサード側と思われます。
イタリア統一運動（Risorgimento：リソルジメント）
西ローマ帝国滅亡後の中世以降のイタリアは、都市国家、小国が分立している状態で、フランスやオーストラリアなどの大国の影響を大きく受けていました。
しかし、ナポレオン体制崩壊後のウィーン会議（1814-1815）でヨーロッパが再編されると、イタリア統一の機運が以前にも増して高まり、リソルジメントという統一運動が広がりを見せました。運動は、いろいろな紆余曲折があったようですが、結果的には、サヴォイア王家のサルダーニャ国が中心となり1861年に統一が成し遂げられイタリア王国が成立しました。最初の首都はトリノ。この時はローマ周辺やベネチア周辺はまだ含まれていませんでしたが、これらの地域も1871年に統一され、首都もローマに移されました。
＜広告＞
イタリア統一国立博物館の歴史
イタリア統一国立博物館は、統一後、1878年とわりと早くに設立されたようですが、常設展示は、現在、国立映画博物館があるモーレ・アントネッリアーナに1908年になってから設置されたようです。
現在のカリニャーノ宮に移ったのは1938年のことのようです。イタリア統一後の国会が置かれた場所というカリニャーノ宮の歴史性なども考慮されたのかもしれませんね。
イタリア統一の歴史がわかる展示
博物館では、30の展示室を順番に見ていくことで、リソルジメント（イタリア統一運動）の歴史、さまざまな側面を知ることができます。
ここには各種の記録文書、武器、ユニフォーム、絵画、遺物など歴史の証人2,579点がおよそ3,800平方メートルに展示されています。なかには、イタリアの国旗を織った織機やイタリア国歌の草稿などイタリア統一を象徴するような貴重な資料も展示されています。見ごたえがあったのは、国会が開かれたという議場で、この博物館の大きな見どころでしょう。
イタリア国民にとってはとても意義ある場所であることは間違いがないと思うのですが、イタリア史の知識がない私には「猫に小判」「豚に真珠」のような気がしました。
＜広告＞
チンザノの企画展
企画展は、お酒のチンザノをテーマにしたものが行われていました。チンザノはトリノ発祥だそうで、サヴォイア家にも納めていたようです。広告のデザインなどを興味深く拝見しました。
イタリア統一国立博物館へのアクセス・行き方
ポルタ・ヌォーバ（Porta Nuova）駅から歩いて約12分です。エジプト博物館はすぐ近くで歩いて2分、トリノ王宮からも歩いて8分ぐらいです。
ひとこと
イタリア史に関する知識がなかったので、展示内容の意義、意味が良くわからなかったというのが正直なところですが、カリニャーノ宮の歴史を感じることができました。
info
Palazzo Carignano ／Museo Nazionale del Risorgimento Italiano
- 訪問日： 2017年12月21日
- 開 館： 1878年（1908年）
- 入館者数： －
- 所在地： イタリア・トリノ（PiazzaCarlo Alberto 8, 10123 Torino）
- アクセス： PORTA NUOVA駅から徒歩約12分
- 入館料： 10ユーロ（大人・個人・当日） ※各種割引制度あり
- 開館時間： 10時～18時
- 休館日： 月曜日
- 公式サイト : http://www.museorisorgimentotorino.it/
【姉妹サイトの投稿記事】
訪問した日の旅行記です。
