マッシモ宮/ローマ国立博物館 - 古代ローマ時代の彫刻が美しいミュージアム

ローマ国立博物館/マッシモ宮

マッシモ宮/ローマ国立博物館(Palazzo Massimo/Museo Nazionale Romano):見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など

ローマ国立博物館は、古代ローマ時代をテーマとした4か所からなる博物館。そのうちの一つ、テルミニ駅近くのマッシモ宮を見学しました。彫刻、モザイク、フレスコなどが美しく展示されています。

 

ローマ国立博物館の概要・歴史・沿革

ローマ国立博物館は、次の4つの施設から構成されています。

マッシモ宮(Palazzo Massimo)

ローマ国立博物館の4つの施設のうちの中核となるのがマッシモ宮。

この建物は、マッシリミリアーノ・マッシモ(Massimiliano Massimo)がイエズス会の大学にすべく建設しようとしたようですが、1883年から1887年にかけて実際に建設されると、結局は、学校(高校?)になったようです。第二次世界大戦中は病院として利用されたようですが、基本的には1960年代まで一貫して学校として使われました。学校移転後は、建物は傷むにまかせられていたようですが、1981年にイタリア政府が購入し、1983年から1998年にかけて建物の修復と博物館への改装を行いました。テルミニ駅近く。

ディオクレティアヌス浴場跡(Terme di Diocleziano)

古代ローマの浴場跡。有名なカラカラ浴場よりも規模が大きく3,000名も収容できたとか。浴場跡にミケランジェロが設計に携わった修道院や回廊もつくられ、博物館の開館当初はこの修道院が展示スペースとして機能していました。テルミニ駅近く。

アルテンプス宮(Palazzo Altemps )

もともとは15世紀に建てられたようですが、1568年にアルテンプス枢機卿がここを購入し改築などを行いました。この枢機卿にちなんでアルテンプス宮と呼ばれています。現在、彫刻が主に展示されています。また、建物の天井画などが美しいようです。ナヴォーナ広場近く。

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クリプタ・バルビ(Crypta Balbi)

比較的最近発掘された遺跡のようです。発掘された資料のほかにローマ時代の劇場跡などの地下遺構も見学できます。ヴェネチア広場近く。

ローマ国立博物館の歴史

ローマ国立博物館のコレクションは、ローマで教鞭をとったドイツ出身のイエズス会士アタナージウス・キルヒャー(Athanasius Kircher, 1601-1680)が収集したものが始まりです。キルヒャーは自宅を「キルヒャー博物館」とするほど熱心に古代の遺物などを収集しました。このコレクションは、イエズス会に受け継がれたようですが、1874年に国の所有するところとなりました。

このコレクションに加え、発掘された遺物を収集し展示するため1889年にローマ国立博物館が設立され、1890年に開館しました。当初は、ディオクレティアヌス浴場跡にある修道院の建物を博物館としてコレクションを展示していたようです。

マッシモ宮の見どころ・展示

古代ローマの彫刻、フレスコ画、モザイク、コインなどの遺物を展示しています。展示は地下1階、1~3階の4フロアに分かれていますが、程よい規模の博物館です。

美しい彫刻をより魅力的に見せる展示

1階と2階は主に彫刻が展示されています。彫刻自体もとても素晴らしいのですが、見せ方、特に照明がとても良く、作品を引き立たせていました。光を当てる対象が大理石製などですから、強い光による退色などをあまり気にしなくてもいいのかもしれませんが、見せ方がとてもうまかったのが印象的でした。

時代を超越しているフレスコ画・モザイク

3階にはフレスコ画やモザイクが展示されています。

リヴィア家のフレスコ」は、初代ローマ帝国皇帝となるアウグストゥスの妃・リヴィアの別荘にあったもので、紀元前のものだそうです。自然の風景がとても柔らかい雰囲気です。

ファルネジーナ荘の壁画」は、アウグストゥス帝の腹心だったアグリッパが建てた邸宅にあった壁画で、19世紀の終わり頃、テヴェレ川の護岸工事の際に発見されました。こちらも往時の様子が再現されていて、ローマ時代へとタイムスリップしたようです。

また、モザイクも美しく、地下にはコインなどの遺物が展示されていました。

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マッシモ宮へのアクセス・行き方

ローマ・テルミニ駅のすぐ近くで、歩いて4分ぐらいです。地下鉄A線のレプッブリカ(Repubblica)駅からは3分ぐらいです。

ひとこと

訪れたのは大晦日。あまり観光向きの日ではありませんでしたが、この博物館が開いているのを発見し、なんの気はなしに行ってみました。期待は良い意味で裏切られ、彫刻の美しさなどに感激。見所がいろいろあるローマの中ではあまり知られていないのかもしれませんが、なかなか良い博物館でした。

info

Palazzo Massimo/Museo Nazionale Romano

  • 訪問日: 2017年12月31日
  • 開 館: 1889年設立、1890年開館
  • 入館者数: 333,555人(2017年。4か所の合計と推定されます)
  • 所在地: イタリア・ローマ(Largo di Villa Peretti, 2, 00185 Roma)
  • アクセス: Roma Termini駅から徒歩4分、地下鉄A線のRepubblica駅から徒歩約3分
  • 入館料: 10ユーロ(大人・個人・当日) ※4か所の共通券(3日間有効)は12ユーロ ※各種割引制度あり
  • 開館時間: 9時~19時45分
  • 休館日: 月曜日、1/1、12/25
  • 公式サイト : http://www.museonazionaleromano.beniculturali.it/

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訪問した日の旅行記です。