チャーチル博物館・内閣戦時執務室 - 秘密の地下壕と個人記念館

チャーチル博物館・内閣戦時執務室(チャーチル・ウォー・ルーム)/Churchill War Rooms:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想、最新情報など

チャーチル博物館・内閣戦時執務室は、その名の通り、ウィンストン・チャーチル首相の記念館と第2次世界大戦時にチャーチルが指揮をとった地下壕が合わさった施設です。地下壕は当時の様子が再現されています。

 

チャーチル博物館・内閣戦時執務室の歴史・沿革

帝国戦争博物館(Imperial War Museums)の成り立ち

チャーチル博物館・内閣戦時執務室は帝国戦争博物館の一施設です。帝国戦争博物館(Imperial War Museums)は、ロンドン帝国戦争博物館(1917年設立、1920年開館)、ケンブリッジにあるダックスフォード帝国戦争博物館(1976年開館)、テムズ川に浮かぶ巡洋艦ベルファスト(1978年開館)、チャーチル博物館・内閣戦時執務室(1984年開館)、マンチェスターにある北帝国戦争博物館(2002年)の5つの博物館から成り立っています。

この博物館群は、第1次世界大戦から今日の戦争までの近代戦争の実相と、敵・味方かかわりなく、また軍人・市民を問わず、軍事に限らず政治・社会・文化の領域まで含めて、戦争体験を記録し広く伝えていくことを狙いとしています。

テムズ川に浮かぶ「巡洋艦ベルファスト」(右側)。タワー・ブリッジのそばに係留されています

それにしても帝国戦争博物館が第1次世界大戦(1914~1918年)の最中に設立されていたことに驚きます。

チャーチル博物館・内閣戦時執務室の開館

1984年、チャーチルや閣僚、政府関係者たちが第2次大戦中に執務した地下壕・内閣戦時執務室(The Cabinet War Rooms)が公開されました。

ここは、官庁街のホワイトウォールにある大蔵省の地下にあたり、戦時の空襲の恐れに備えるため1938年に建設場所が選ばれ、1940年から1945年8月16日まで政府の中枢として機能しました。現在公開されているのは、地下壕の全部ではなく一部だそうです。

チャーチル博物館は、2005年2月10日、エリザベス2世女王のご臨席のもと開館しました。さすが国葬が行われるだけの人物です。チャーチル博物館は、いわゆる個人記念館で、チャーチルが生まれてから亡くなるまでの生涯を紹介しています。

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チャーチル博物館・内閣戦時執務室の見どころと展示

音声ガイドを聞きながら歴史の舞台を見学

内閣戦時執務室は、史跡といっても良い場所です。マネキンなども使い、当時の様子が再現されていて、音声ガイドを聞きながら各所・各室を見学します。マネキンはちょっと怖いというかチープというか…でしたが、とても興味深く拝見しました。執務をするだけではなく、ここで寝泊りや食事など生活ができるようなっています。こんなに大規模な地下施設があったことに驚かされました。地下にあるからといっても、ジメジメしているとかなんとなく薄気味が悪いとかはまったくありません。

音声ガイドは残念ながら、日本語はありません(英・仏・独・伊・西・ヘブライ・葡・中の8か国語対応)。

チャーチルがさまざまな意思決定を行った歴史の舞台を実際に目にすることができるのは大きな魅力、見どころでしょう。

チャーチル博物館は、チャーチルゆかりの品々の実物展示やグラフィック系展示だけではなく、メディア系の展示も取り入れられて、チャーチルの歩み、事績がわかりやすく紹介されていました。デザインもなかなか素敵だと思います。

館長によるプライベート・ツアー

一般的な博物館とは違って教育普及活動はあまり行われていないようです。

面白いと思ったのは、10人までの小規模団体などに向けたプライベートなガイド・ツアー。有料で500ポンドから。1ポンド=150円換算で、75,000円(!)。元館長の解説ツアーだと、850ポンドから。127,500円。1時間ぐらいのツアーで、一般客が立ち入れないところまで近づいて見たりすることもできるようですが、なかなかのお値段ですね。館長によるツアーだと値段が高くなることも面白いです。

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チャーチル・ウォー・ルームへのアクセス・行き方

地下鉄Circle線・District線・Jubilee線のWestminster駅から徒歩5分、Circle線・District線のSt James’s Park駅から徒歩6分です。ビッグ・ベンからも近く歩いて7分ぐらいです。

最新情報

2017年の入館者数534,723人で、前年比プラス9.6%と入館者数が増えました。映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」の前宣伝が効いたのでしょうか?

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ひとこと

このような大規模な施設があったなんてまったく知りませんでした。また、音声ガイドのいろいろな解説やエピソードで、とても興味深く見学することができました。

日本に帰ってきてから、「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」(公開日:アメリカ2017年11月22日、イギリス2018年1月12日、日本3月30日)を観ました。映画にも地下の指揮所が随所に登場し思い出と感慨に浸ってしましました(もちろんスタジオでの撮影でしょうけど)。映画としてもそれなりにけっこう面白かったです。

info

Churchill War Rooms

  • 訪問日: 2017年12月9日
  • 開 館: 1984年(チャーチル博物館の部分は2005年)
  • 入館者数: 534,723人(2017年)
  • 所在地: イギリス・ロンドン(150 London Wall, EC2Y 5HN)
  • アクセス: 地下鉄Circle線・District線・Jubilee線のWestminster駅から徒歩5分、Circle線・District線のSt James’s Park駅から徒歩6分
  • 入館料: 21ポンド(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり
  • 開館時間: 9時30分から18時
  • 休館日: 12/24-26
  • 公式サイト : https://www.iwm.org.uk/visits/churchill-war-rooms

【姉妹サイトの投稿記事】

訪問した日の旅行記です。