シテ科学産業博物館 - ラ・ヴィレット公園にあるヨーロッパ最大規模の総合科学館

シテ科学産業博物館/Cité des Sciences et de l’Industrie:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想、最新情報など

パリで一番大きな公園・ラ・ヴィレット公園内にあるシテ科学産業博物館は、ヨーロッパ最大規模の総合的な科学館で、各種の装置やハンズオン展示、デジタル展示などで科学や技術を楽しく学ぶことができます。

 

シテ科学産業博物館の歴史

ラ・ヴィレット公園内にあることから、この科学館を「ラ・ヴィレット」と呼ぶ人もいますが、「シテ科学産業博物館(Cité des Sciences et de l’Industrie)」が正しいです。ちなみにフランス語の”cité”は「都市」とか「市」という意味のようですから、”Cité des Sciences et de l’Industrie”を直訳すると「科学産業都市」になりそうです。

ラ・ヴィレット公園は、広さ55ヘクタールで運河が横断しているようなパリ市内最大の公園ですが、もともとはナポレオン3世によって1867年に作られたラ・ヴィレット食肉処理場(屠殺場)で1974年まで使用されていました。1970年から公園が部分的にオープン。ここに科学、技術、音楽などに関するさまざまな文化施設が建設され、生まれ変わりました。その中核がシテ科学産業博物館です。

シテ科学産業博物館の建物は、もともとあった食肉関連施設(食肉市場?)を改築したようです。1980年に改装計画が委託されました。開館は1986年3月13日で、当時のミッテラン大統領出席のもと式典が行われたそうです。

科学に関する多彩なテーマの展示

建物は3層構造で、中央部に吹き抜けがあり上下に移動できるエスカレータが設置されています。

エントランスは1階で、チケットもここで購入します。

また、1階には、チルドレンズ・ミュージアム的な展示室“Cité des enfants”があり、ハンズオン展示などで子どもたちが楽しく遊びながら学ぶことができます。この施設は基本的に地元の方のために運用されているようで、旅行者は子連れであってもNGのようです。1階にはシアターやライブラリーもあります。

2階と3階がExploraと名付けられた展示室とプラネタリウムです。展示面積はおよそ3万平方メートルあります。2階は、エネルギー交通・移動遺伝子温室宇宙からの地球観測数学などのテーマの展示です。3階は、情報通信宇宙などのテーマの展示とプラネタリウムです。

また、企画展示のコーナーも設けられていて、ユニークなテーマで科学に親しめるように工夫されています。

マンガの企画展が開かれていましたが、これは日本でも2018年3月に公開された「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」の原作作品です。タイアップの企画展なんでしょうね、きっと。ちなみに、映画はリュック・ベンソンが監督しています。

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リュック・ベンソン監督。2018年3月に日本でも公開された「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」。企画展はタイアップだったのでしょうね

中高生以上向きの展示、デザインが素晴らしい

展示手法は、各種の装置やハンズオン展示、デジタル技術・ITを活用したインタラクティブな展示などが中心で、科学技術の発達などを実物資料・産業技術遺産で紹介する展示のウエイトはあまり高くないようです。展示更新も適切に行われ比較的新しいデジタル技術を取りいれています。

展示手法自体は珍しいものではないと思いますが、出色なのはデザインの素晴らしさです。誤解を恐れずにいうと、空間も展示演出も子ども向きのデザインではなく、大人も十分に楽しめるデザインになっています。

各展示コーナーには推奨年齢が設定されていますが、10歳とか11歳以上も多く、どちらというと中高生以上の方が展示内容を理解し楽しめると感じました。もちろん小学生でも学べるように工夫されていますが、実際のところ、小学生よりも中高生の団体も数多く見かけました。

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プラネタリウム、大型映像シアター、潜水艦

大型の総合科学館に必須といってもいいかもしれませんが、プラネタリウムと大型映像シアターが別々にあります。最近ではデジタル映像(プロジェクション映像)でプラネタリウムと大型映像シアターを兼用する場合も増えてきていますが、ここでは別々です。

ここの大型映像シアターは、ラ・ジオード(La Géode)と名付けられていて、IMAXの3D映像や全天周映像を見ることができます。また、VRのプログラムもあるようです。このシアターは別館のようになっていて、ステンレスの三角板6,433枚に覆われている直径36メートル余りの球体が特徴的な建物です。このラ・ジオードに公園の風景が映り込んだりして、シンボリックなモニュメントになっています。

屋外には1958年に進水し1959年に就役した潜水艦・アルゴノートが展示されています。退役は1982年で、一般公開は1991年から。最初はパリの30番街で展示されていたそうですが、この科学館に移設されました。

プラネタリウムや潜水艦は、通常の入館チケットで見ることができますが、ラ・ジオードの大型映像は別料金のようでした。

英語の解説が充実していることにびっくり!

興味深かったのは英語の解説が充実していたことです。フランスといえばフランス語だけで、英語はせいぜい付け足し程度のイメージがあったのですが、違いました。解説グラフィックなどでフランス語と英語が同じぐらいの大きさで書かれているものもあるなどちょっと驚きです。やはり今や英語は必須なのですね。

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シテ科学産業博物館へのアクセス・行き方

地下鉄7号線のポルト・ド・ラ・ヴィレット(Porte de la Villette)駅のすぐ目の前で、歩いて2~3分です。

ちなみに、このあたりはあまり治安の良いところではないようです。昼間の明るい時間にシテ科学産業博物館や公園を訪れる分には大丈夫だと思いますが、気をつけるにこしたことがないような気がします。気のせいか地下鉄もどことなくパリ中心部とは違った雰囲気を感じました。

最新情報

2017年の入館者数2,439,000人で、前年比プラス11.7%と入館者数が増えました。200万人以上も入館者があり、世界的にも有数の科学館であるといえるでしょう。

ひとこと

ヨーロッパ随一の科学館ということを聞いていたので、とても期待して行きました。デザインの素晴らしさは感動的で、個々の展示もとても面白いのですが、展示構成とか展示ストーリーがなぜかしっくりきませんでした。寄せ集め感を感じたせいかもしれません。そうはいっても十分すぎるほどすごい科学館であることは間違いがありません。また、アメリカやイギリスで見た科学館とは雰囲気が違うのも興味深かったです。機会があればまた見に行きたいと思います。

info

Cité des Sciences et de l’Industrie

  • 訪問日: 2017年12月12日
  • 開 館: 1986年3月13日
  • 入館者数: 2,439,000人(2017年)
  • 所在地: フランス・パリ(30, avenue Corentin-Cariou, F-75019 PARIS)
  • アクセス:地下鉄7号線・Porte de la Villette駅から徒歩2~3分
  • 入館料: 12ユーロ(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり
  • 開館時間: 火-土 10時~18時、日 10時~19時
  • 休館日: 月曜日 ※そのほかにも休館日があるかもしれませんので、HPなどをご確認ください
  • 公式サイト : http://www.cite-sciences.fr/

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訪問した日の旅行記です。