イントレピッド海上航空宇宙博物館- 第二次世界大戦中に建造された空母が博物館

イントレピッド海上航空宇宙博物館/Intrepid Sea, Air & Space Museum Complex:見どころ、概要、歴史、立地、行き方、展示、感想、最新情報など

 

航空母艦「イントレピッド」の歴史

イントレピッドは、1943年に進水・就役した航空母艦(空母)で、第2次世界大戦(アジア・太平洋戦争)のトラック島空襲、レイテ沖海戦、硫黄島上陸作戦、沖縄戦などに参戦しています。こららの戦闘の際には、複数回の特攻機の攻撃もあったそうです。

その後、宇宙開発のジェミニ計画では大西洋上に着水した宇宙船ジェミニ3号を回収作業を行ったり、ベトナム戦争にも投入されています。

退役は1974年ですから、空母としての活動は約30年間です。

そして、航空母艦イントレピッドは、マンハッタン西側のピア86(86番桟橋)に係留されて1982年に「イントレピッド海上航空宇宙博物館」として生まれ変わりました。

空母として大きいのか小さいのかわかりませんが、今から75年以上前にこのような巨大な空母(全長約250m、全幅約45m)が建造されていたことに驚かされます(戦艦大和は263mでほぼ同じ全長)。

ちなみに、intrepidとは、「大胆(不敵)な」「勇敢な」などの意味です。

イントレピッド海上航空宇宙博物館のミッション

海上航空博物館としてのミッションは、戦争の英雄たちを称え、一般市民を啓発し、若者を刺激・鼓舞するため、コレクションや展示、プログラムを通じて歴史、科学、軍務への認識・理解を促進することにあります。

The mission of the Intrepid Sea, Air & Space Museum is to promote the awareness and understanding of history, science and service through its collections, exhibitions and programming in order to honor our heroes, educate the public and inspire our youth.

~ウエブ・サイトより~

スポンサーリンク

イントレピッド海上航空宇宙博物館の展示

航空母艦としての展示

この館の見どころは、まず第一にふだんは見ることができない航空母艦(空母)の艦内各所の見学ができることです。また、退役した軍人の方(たぶん)がボランティアかスタッフかはわかりませんが、操舵室とかいろいろな場所で解説しているのがとてもよかったです。

海上航空宇宙博物館としての展示

艦内(館内)には、例えば、特攻(カミカゼ・アタック)を受けたことなど空母時代の歴史を紹介するコーナーなどがあるほか、科学館的なコーナーなどもあります。

なんといっても見ごたえがあって、この館の二つの見どころになっているのは、航空機の実機展示です。F14やA12(SR71)、ブルーエンジェルス用F11Aなどの軍用機を飛行甲板(フライト・デッキ)で見ることができますし、格納庫(ハンガー・デッキ)では、第2次大戦中の戦闘機なども見ることができます。飛行甲板にはなぜかソ連のMig21もあります。展示されているのは全部で28機(艦の外にあるコンコルド含む)です。

そして、圧巻は、スペースシャトル「エンタープライズ」。飛行甲板後部の専用建屋に展示されています。よく運搬し設置できたものです。

<広告>

屋外展示

艦外には、1969年に初飛行し2003年に全機退役した現在まで唯一の超音速旅客機「コンコルド」が展示されています。内部も見られるようですが、私が訪れた時は閉館近い時間でしたのでもう閉まっていました。残念です。ちなみに、ここに展示されているコンコルドは量産型10号機でブリティッシュ・エアウェイズが使用していたものだそうです。20機製造されたコンコルドですが、多くは博物館などで見ることができるようです。

また、潜水艦「グロウラー(SSG-577)」も係留され、展示公開されています。こちらは1958年に進水・就役し1964年に退役した戦略ミサイル搭載の通常動力潜水艦です。内部に入れましたが、広島の呉にある「鉄のくじら館」に展示されている潜水艦と共通性もあり、興味深かったです。

屋外の特設テントでは、ドローンの企画展をやっていました。

イントレピッド海上航空宇宙博物館へのアクセス・行き方

タイムズ・スクエアなどからも十分歩ける距離だと思いますが、地下鉄だとCまたはE線の50th St駅か42 St – Port Authority Bus Terminal駅、あるいは7番線の34th Street-Hudson Yards駅などが近いようです。

ひとこと

空母や軍用機、潜水艦などは戦争の道具ですので複雑な思いも持ちますが、一飛行機ファンとしては実機を見ることができて良かったです。閉館間際で駆け足となってしまったので、次回はゆっくり見たいです。

info

Intrepid Sea, Air & Space Museum Complex

  • 訪問日:2017年11月30日
  • 開 館:1982年
  • 入館者数:100万人以上
  • 所在地:アメリカ・ニューヨーク(Pier 86 W 46th St and 12th Ave New York)
  • アクセス:地下鉄C・E線50th St駅、42 St – Port Authority Bus Terminal駅、地下鉄7番線34th Street-Hudson Yards駅などから徒歩数分
  • 入館料:33ドル(大人・個人・当日) 割引制度あり
  • 開館時間:10時から17時(春・夏の土・日・祝は18時まで)
  • 休館日:感謝祭、クリスマス、臨時休館
  • 公式サイト https://www.intrepidmuseum.org/

【姉妹サイトの投稿記事】

訪問した日の旅行記です。