ニューヨーク近代美術館 - やっぱりすごい!繰り返し行きたくなる近現代美術の殿堂・MoMA

ニューヨーク近代美術館/MoMA:The Museum of Modern Art:概要、歴史、展示、見どころ、アクセス・行き方、感想、最新情報など

MoMA(モマ)の名前で親しまれているニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art)。美術が好きな人ならだれもが知っている超有名な近現代の美術館です。

 

MoMAの歴史

ニューヨーク近代美術館は、1920年代後半、リリー・P・ブリス、コーネリアス・J・サリバン、ジョーン・D・ロックフェラーJr夫人の3人の女性により構想され、1929年11月7日に開館しました。世界恐慌のきっかけといわれる10月24日の「暗黒の木曜日(Black Thursday)」の直後です。世界恐慌の最中であったものの、美術館は拡大していったようで、3度の移転の後、1939年に現在地に移転・開館しました。

その後も建物の拡張がされていきましたが、抜本的に見直すことになったようです。このため、2002年5月に、谷口吉生氏の設計による新館建設のためいったん閉館。6月にはクイーンズへ移転し、2004年9月まで営業していました。そして、2004年11月に新しい建物が完成しリニューアルオープンしました。

現在さらなる拡張工事が行われて、2019年にオープンするようです。設計はDiller Scofidio + Renfroという設計事務所で、ここはロサンゼルスのThe Boadなども手掛けています。

MoMAのミッション

ニューヨーク近代美術館は、世界の現代美術館の最高峰であることを目指しています。

Founded in 1929 as an educational institution, The Museum of Modern Art is dedicated to being the foremost museum of modern art in the world.

そして、地域から国外まで幅広い来館者に、絶えることなく近現代美術へのより深い理解や享受を促進・奨励することをミッションの中心に置いています。

Central to The Museum of Modern Art’s mission is the encouragement of an ever-deeper understanding and enjoyment of modern and contemporary art by the diverse local, national, and international audiences that it serves.

ミッション・ステートメントは、こちらでみることができます。

Just a moment...

こうしたミッションに基づき、19世紀後半から現代までの、国内外の絵画、彫刻、スケッチ・デッサン、版画、写真、建築模型、デザイン、映像作品などをおよそ20万点収蔵しています(ほかに200万点の写真フィルムを所蔵しているようです)。もちろん、メディア芸術とかパフォーミング・アーツといわれる分野についても対象になっています。

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期待のMoMAへ入館!

オープン前に到着しましたが、すでにチケットは販売していました。美術館の会員だと9:30から入館できるようですが、一般客は10:30からです。入館料は25ドル。110円換算で2,750円ですから、日本の感覚からするとちょっと高いように思いますが、展示はとても充実していますので、決して高いものではないと思います。

なお、金曜日の金曜日の16時から20時の閉館までなら入館料は無料です。これはユニクロがスポンサーになって実現しているようです。ちなみにユニクロの店舗は欧米の大都市でけっこう見ました。

エントランスホールのチケット・カウンター

フロアガイドは、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、繁体中国語、簡体中国語、日本語、韓国語と、10か国語で用意されている充実ぶりです。ただあいにくこの日は日本語版が欠品していたようで英語版をいただきました(何か所かで配布していますが、2か所に行きましたけどなかったです)。

現代美術館らしい空間

現在の建物は、2004年にできたもので、地上6階地下2階建て。展示室は2階から6階までの4フロア、地下はシアターになっています。平面構成ではなく縦の構成というのはマンハッタンにある美術館ということならではかもしれません。天井は高く作られていますので、現代美術などを展示するのにも問題はないのでしょう。縦移動が必要ですので使い勝手の悪い部分もあると思いますが、空間はとても気持ちの良いものでした。この建物の設計は日本の建築家・谷口吉生氏。大御所ですね。

幅広い展示作品

収蔵作品数はおよそ20万点、展示作品はとても幅広いです。ゴッホなどの超有名作品の数々は見どころですが、他にも魅力的な作品がいっぱい。それにしても、よくよく考えてみると、1929年の開館のときにはゴッホもModernの作家なんですね(ゴッホが亡くなったのは1890年)。定番というと語弊があるかもしれませんが、ウォーホルやリキテンシュタイン、草間彌生や村上隆などの作品も収蔵されています。

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さすがの教育普及プログラム

ギャラリー・トークや学校団体プログラム、教員向けプログラムなど教育普及関連のプログラムもとても充実しているようです。また、いろいろなワークシートがダウンロードできるようになっています。

教育普及プログラムのウエブサイトは、こちらです。

現代美術に包み込まれる快感

ここでも現代美術作品があるその空間に身を置くことの気持ちよさを感じました。ここに展示されている作品の良しあしはわかりませんが、好きと思える作品、好きになれそうな作品が数多く展示されていました。

そういば、ここのトイレのサインがニューヨークらしいなと思いました。こういうところにもdiversityへの配慮(だと思います)が感じられます。

MoMAへの行き方

マンハッタンのど真ん中にあるといえると思います。タイムズ・スクエアからは歩いて10分ちょっと。ロックフェラー・センターからも近いです。地下鉄だと、E線またはM線の5 Av/53 St駅などから徒歩数分です。

最新情報

TEA(Themed Entertainment Association)の調査のよると、2017年の入館者数は275万人で、全米のミュージアムで第7位、美術館としては第3位の入館者だったようです。

ひとこと

見どころだらけでしたし、ほんとうにすばらしい美術館でした。肩ひじ張ることなく気軽に身近に現代美術に親しむこともでき、かなりおススメの美術館です。次回はクイーンズにある分館のMoMA PS1にも行ってみたいと思います。

info

MoMA:The Museum of Modern Art