テート・リバプール - ヘンリー・テートゆかりの地にある「テート」の美術館

テート・リバプール/Tate Liverpool:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想、最新情報など

テート・ブリテン」「テート・モダン」「テート・リバプール」「テート・セント・アイヴィス」の4つの美術館からなる「テート」。このうちの一つ、「テート・リバプール」は、「テート」の名の由来になったヘンリー・テート氏ゆかりの地・リバプールにあります。

 

テート・リバプールの沿革・歴史

ヘンリー・テートとリバプール

「テート」の名は、ヘンリー・テートという事業家にちなむものです。

このヘンリー・テート氏は、リバプールの北にあるランカシャー州ホワイト・コピスというところで生まれ、13歳からリバプールの食料雑貨屋で働きはじめ20歳の頃に自分の店を持ちました。商才をいかんなく発揮したようで、6店舗まで商売を大きくしました。その後、リバプールの発展の原動力といえる三角貿易の一翼である西インド諸島からの砂糖を精製する事業に進出し、時流に乗り大きな成功をおさめました。

ヘンリー・テート氏は、お金を儲けるだけではなく、労働者のことを気に掛けたり、いろいろな慈善事業に匿名であったり目立たぬように寄付をするような人だったようです。

テート・ギャラリーの誕生

そんなヘンリー・テート氏は、1889年に、ナショナル・ギャラリーに65作品の寄贈を申し出ました。しかし、展示する場所がないということで、断られてしまいました。それならばということかもしれませんが、8万ポンドを寄付し、美術館が作られることになりました。その美術館は、「ナショナル・ギャラリー・オブ・ブリティッシュ・アート」という名前で1897年7月21日に開館し、1932年からは「テート・ギャラリー」の名で親しまれ、1955年にはナショナル・ギャラリーから独立して名実ともに「テート・ギャラリー」となりました。ここは、現在、「テート・ブリテン」として知られているところです。ちなみに、建物は、元々は刑務所で、オーストラリアに送られる前の囚人が収容されていました。

テート・リバプールの誕生

リバプールは、ヘンリー・テート氏ゆかり地であることを考えると、この地にテートができるのは自然な流れでしょう。

もともとは1980年代にテートの分館を北部につくろうという話が持ち上がり、ちょうどその頃、リバプールのアルバート・ドックなどウォーター・フロントの再開発が進んでいたので、この地になったようです。

開館は1988年5月です。

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テートのミッション

テート全体としてのミッションは、16世紀から今日に至るまでのイギリスの美術と、世界の現代美術を広く一般により楽しんでもらうとともに理解を促進することにあります。

Our mission is to increase the public’s enjoyment and understanding of British art from the 16th century to the present day and of international modern and contemporary art.

テートのコレクション

テートのミッションにも述べられているように、コレクションの対象は1500年代からのイギリスの美術や世界の現代美術などで70,000点近くを所蔵しています。

これらのコレクションをテート間で巡回させることも行っているようです。私が訪れた時には、リキテンシュタインの企画展を行っていましたが、数日後に訪れたテート・モダンには、リキテンシュタインの作品があるようには見えませんでした。リバプールに集められていたのだと思います。

テート・リバプールの展示空間

テート・リバプールの建物は、もともと、お茶、絹、タバコ、酒などの保管に使われていた倉庫です。そのため、現代美術の展示空間としては少し窮屈な感じがしなくはありませんでした。現代美術を展示するには、高い天井、広々とした空間の方が向いているような気がします。ただ、逆に作品との距離が近く感じられたり、作品によってはちょうど良いものもあるので、難しいところですね。

テート・リバプールの特徴

テートをイギリス北部に作ろうという時に、教育普及活動を通じて若者に現代美術に親しんでもらうという方針もあったようです。そのためか、テート全体でも取り組んでいるTate Exchangeというプログラムのリバプール版Tate Exchange Liverpoolでは、専用の場所も用意されて、ワークショップに参加できたり、芸術家などと協働したり実験的な試みを行ったりすることができます。芸術・美術が社会とどのようにかかわっていくかを実験し実践していく場なのかもしれません。

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テート・リバプールへのアクセス・行き方

テート・リバプールは、アルバート・ドック内にあります。まずはアルバート・ドックを目指していけば間違いないでしょう。近隣には、マージーサイド海事博物館、国際奴隷博物館、ビートルズ・ストーリー、リバプール博物館などがあります。

ローカル鉄道Merseyrailのウィラル・ライン(Wirral Line)のJames Street 駅から歩いて10分弱、Liverpool Central駅からは15分弱、Liverpool Lime Street駅だと歩いて20分弱程度です。

最新情報

2017年の入館者数は628,024人で、前年比マイナス2%だったそうです。周辺のミュージアムは前年比プラスのようですから、企画展の影響なのかもしれません。

リバプールでは、イギリス最大の現代美術の祭典「リバプール・ビエンナーレ」が2年に1度、開催されます。2018年は開催年で、7月14日から10月28日までの会期です。テート・リバプールにも作品が展示されてるようです。

info

Tate Liverpool

  • 訪問日: 2017年12月5日
  • 開 館: 1988年5月
  • 入館者数:628,024人(2017年)
  • 所在地: イギリス・リバプール(Albert Dock, Liverpool Waterfront, Liverpool L3 4BB)
  • アクセス:ローカル鉄道Merseyrailのウィラル・ライン(Wirral Line)のJames Street 駅から徒歩10分弱、Liverpool Central駅から徒歩15分弱程度、Liverpool Lime Street駅から徒歩20分弱程度
  • 入館料: 無料
  • 開館時間: 10時から17時50分 ※毎月第1水曜日は10時30分から
  • 休館日: 12/24-26
  • 公式サイト :  http://www.tate.org.uk/visit/tate-liverpool

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