テート・モダン - 発電所を改装した世界有数の現代美術館

テート・モダン/Tate Modern:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想、最新情報など

テート・モダンは、国立美術館グループ「テート」の一施設で、テムズ川沿いの元発電所を改装した現代美術館です。大英博物館に続きイギリス第2の入館者数です。

 

テート・モダンの歴史・沿革

美術館グループ「テート」の始まり

美術館グループ「テート」は、「テート・ブリテン」「テート・モダン」「テート・リバプール」「テート・セント・アイヴィス」の4つの美術館から成り立っています。

一番最初にできたのが、「テート・ブリテン」。ナショナル・ギャラリーの分館として「ナショナル・ギャラリー・オブ・ブリティッシュ・アート」という名前で1897721日に開館しました。1932年からは「テート・ギャラリー」の名で親しまれ、1955年にはナショナル・ギャラリーから独立して名実ともに「テート・ギャラリー」となりました。

この「テート」という名前ですが、ヘンリー・テートという人物にちなむものです。ヘンリー・テート氏はリバプールの近くで生まれ、リバプールで砂糖の精製事業などで大きな成功をおさめた実業家です。このテート氏は、1889年に、ナショナル・ギャラリーに65作品の寄贈を申し出ましたが、展示スペースがないということで断られてしまいました。これに対して、テート氏が8万ポンドを提供するなどして、新しい美術館をつくることになり誕生したのが、「ナショナル・ギャラリー・オブ・ブリティッシュ・アート」です。テート美術館グループの誕生地といえるでしょう。

テート・モダンの誕生

開館以来、収蔵作品は増え、建物も増築されました。しかし、それでもスペースが不足し、1980年代から近現代美術を展示する新しい美術館を建設することが検討され、1992年11月に、新しい美術館を作ることが発表されました。この時には場所も決まっていなかったようで、その後の調査や検討を経て、1994年に、閉鎖されていたサウスバンク発電所を美術館とすることが公表されました。こうして、2000年5月12日、ミレニアム事業の一環でもある、テート・モダンが誕生しました。

なお、テート氏ゆかりの地・リバプールの「テート・リバプール」は1988年5月に開館しています。

テート・リバプールの紹介記事です。

テート・リバプール - ヘンリー・テートゆかりの地にある「テート」の美術館
テート・リバプールは、テート美術館グループの一員です。テート全体では1500年代からのイギリスの美術や世界の現代美術などを70,000点近くを所蔵しています。リバプールの観光では、ぜひ訪れたいおススメ観光スポットの一つです。テート・リバプールの概要、歴史、立地、行き方、入館料、展示、見どころ、感想、最新情報などを紹介します。

テートのミッション

テート全体としてのミッションは、16世紀から今日に至るまでのイギリスの美術と、世界の現代美術を広く一般により楽しんでもらうとともに理解を促進することにあります。

Our mission is to increase the public’s enjoyment and understanding of British art from the 16th century to the present day and of international modern and contemporary art.

各館の役割分担ですが、テート・モダンは、「国際的な近現代アート(International modern and contemporary art)」、テート・ブリテンは「1500年から今日までのイギリスの美術(The home of British art from 1500 to the present day)」、テート・リバプールは「イギリスと国際的な近現代アート(British and international modern and contemporary art)」です。テート・セント・アイヴィスは、多くのアーティストが創作活動を行った地であることから、セント・アイヴィスで活動した作家の作品を対象としているようです。

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テート・モダンの見どころ、展示

テートとしては、70,000点近くを所蔵しています。このうち近現代美術が、テート・モダンに展示されていますが、テート・リバプールなどにも巡回させているようです。例えば、ここを訪れる数日前にリバプールのテート・リバプールに行きましたが、リキテンシュタインの企画展が行われていました。その一方で、テート・モダンではリキテンシュタインの作品を見かけませんでした。

一流のコレクションや打ち出しているさまざまな企画やイベントなど、いくつもの魅力があるテート・モダンですが、そのうちの大きなものの一つは空間だと思います。元発電所の空間をうまくリノベーションして現代美術の展示空間をしつらえています。

圧倒的な魅力・迫力があるタービン・ホール(Turbine Hall)

テート・モダンは、元発電所だっただけに、どの展示室も天井高が高く、広い展示室になっていて、現代美術を展示する空間にぴったりです。中でも、エントランス・ホールにあたるタービン・ホールは、発電所の大型発電機が置かれていた大空間で、作品も展示されています。ここの作品展示空間は、縦155m×幅23m×高さ35mあり、面積は3,300㎡もあります。展示作品は定期的に入れ替わります。

石油の貯蔵庫だったザ・タンク(The Tanks)

タービン・ホールに隣接してザ・タンクがあります。ここはかつて石油を蓄えていた場所で、現在は、ライブ・パフォーマンス、映像作品、インスタレーション作品などの展示場所になっています。ここの無機質な空間が現代美術の展示にピッタリだと感じました。

有名作家の作品もいっぱい

ピカソ、マティス、カンディンスキー、ウォホール、デュシャンなど私でも知っている超有名作家の作品が展示されていました。ヨーコ・オノや草間彌生など日本人作家の作品もあります。

展示室は、”Artist and Society”, ”In the Studio”, Between Object and Architecture”, “Materials and Objects”などのテーマに分かれているほか、いろいろな切り口で作品が展示されていました。

充実の展望フロア・ショップ・レストラン・カフェ・バー

ロンドンの街並みが一望できる展望スペースがあります。見晴らしがとても良かったです。また、大人の美術館だなと感じさせるのは、レストランやカフェなどの充実ぶりです。ショップも1つではなく複数ありおしゃれなグッズが手に入ります。

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教育普及プログラム

ハンズオン展示があったりワークショップが行わる学習センター(Clore Learnig Centre)も設置されていますし、学校団体、家族向け、一般向けなどのさまざまな教育普及プログラムを実施しています。プログラムのカテゴリー、メニューとしては他の美術館でも見られるものですが、テーマ・内容は独自で質の高いものだと思われます。

ユニクロ・テート・レイツ(Uniqlo Tate Lates):ユニクロが提供しているプログラムで、11月を除く毎月最終金曜日の夜間に開催されます。アート、音楽、映像、ワークショップなどが融合しているイベント。バーでお酒が楽しめるだけではなく、DJもいてダンスも楽しめます。毎月いろいろなテーマが設定されているようです。

告知ポスター。ユニクロ提供の夜のイベント“Tate Lates”も告知されています

現代美術館ならではの講習プログラム

大人向きの1回完結ではなく複数回からなる連続講習プログラムが行われていて、その中には、テートならでは、現代美術館ならではのテーマのものも少なくありません。

例えば、”The Politics Global Art”は、今日の現代美術館の役割などを考える8週間にわたり毎週1回14時から17時まで行われるプログラムです。小論文の提出が必要だったり、成績評価もあります。他にも“Museum Curating Now: Behind the Scenes at Tate”, “The Art Museum: Past, Present, Future“などテートならではでしょう。

Tate Exchange:アートが人々の生活や社会とどのようにかかわっていくかを考えるプログラムです。60人以上の世界のさまざまなアーティストと協働するようです。

テート・モダンへのアクセス・行き方

地下鉄Jubilee 線のSouthwark 駅から徒歩10分、District線・Circle線のBlackfriars駅から徒歩10分ぐらいです。セント・ポール大聖堂からミレニアム橋を通って歩いて10分なので、テムズ川をみながら散歩を楽しむのも良いかもしれません。

最新情報

2017年の入館者数5,656,004人で、前年比マイナス3%でしたが、ナショナル・ギャラリーがマイナス16.5%と大きく入館者数を減らしたため、イギリスでは大英博物館に続いての入館者数です。

ひとこと

テート・モダンは、見ごたえがありました。作品も空間もとても興味深かったです。多くの観光客が訪れているのもうなずけます。ロンドン観光のおススメ観光スポットです。英博物館だけではなく、こちらにも足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

そういえば、最近公開された「ミッション:インポシブル/フォールアウト」にテート・モダンが出ていましたね。見たらなんか懐かしくなりました!

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テート・モダン周辺を走りまわるトム・クルーズが印象的でした。ベンジー役のサイモン・ペグとの掛け合いも面白かったです

info

Tate Modern

  • 訪問日: 2017年12月8日
  • 開 館: 2000年5月12日
  • 入館者数: 5,656,004人(2017年)
  • 所在地: イギリス・ロンドン(Bankside, London SE1 9TG)
  • アクセス:地下鉄Jubilee 線のSouthwark 駅から徒歩10分、District線・Circle線のBlackfriars駅から徒歩10分、セント・ポール大聖堂からミレニアム橋を通って徒歩10分など
  • 入館料: 無料 企画展などは有料
  • 開館時間: 日-木10時から18時、金・土10時から22時
  • 休館日: 12/24-26
  • 公式サイト https://www.tate.org.uk/visit/tate-modern

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訪問した日の旅行記です。