ワールド・ミュージアム - 世界がぎゅっと凝縮されている国立の自然史系総合博物館

ワールド・ミュージアム/World Museum:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想、最新情報など

ワールド・ミュージアムは、考古学や文化人類学・民族学などの分野まで含み、プラネタリウムや水族館などもある自然史系の総合博物館です。

 

ワールド・ミュージアムの沿革・歴史

ワールド・ミュージアムは、1853年3月8日に開館しました。その時の名前は、リバプール市立ダービー博物館(Derby Museum of the Borough of Liverpool)で、その名は、この館の収蔵資料の元となった自然史系コレクションを寄贈したダービー13世伯爵にちなみます。

コレクションはダービー13世伯爵が亡くなった1851年に寄贈され開館が1853年ですから、かなり時間がないなかでのオープンだったようです。そのためか、建物は小さく、コレクションが十分に展示できないだけでなく、開館後半年で157,861人を集客するぐらいの人気で多くの入館者にあふれていたようです。

このため、商業や銀行業で成功したウイリアム・ブラウン氏が新しい建物を寄付することになりました。

開館当時、ミュージアムは、ロープワークス地区のスレーター通り(Slater Street)とパー通り(Parr Street)の交差点のところにありましたが、新しい建物は現在地に用地を確保し建設され、1860年に完成し、1861年にリバプール公共博物館(the Liverpool Free Public Museum)という名前になり一般公開されました。この時にブラウン氏は図書館の建物も合わせて寄付しています。合計2万ポンドの費用がかかったそうです。

その後、拡張工事も行われたようですが、第2次世界大戦では空襲を受け建物は大きな被害を受けてしまいました。ただ、貴重な資料は疎開が行われていたので被害を免れたようです。しかし、再開までには時間がかかり、1956年にやっと小規模な公開が始まりました。本格的な再建は1966年からです。

1986年にはマージーサイド海事博物館など他の博物館ともども国営化され、現在のリバプール国立博物館(National Museums Liverpoo)が管理運営することになりました。そして、新しい水族館やエントランスの設置とともに展示室の改装などを行い、2005年4月29日に、ワールド・ミュージアムに名前が変わり新しいスタートを切りました。

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ワールド・ミュージアムの展示、見どころ

このミュージアムの展示は、生物学、動物学、植物学、地質学、天文学、物理学、考古学、文化人類学・民俗学など幅広い分野にわたります。まさに、太古から今日まで、地球、世界、宇宙がぎゅっと詰まっている”ワールド・ミュージアム”です。”知のテーマパーク”といってもいいかと思いますが、子どもをつれた家族が半日、あるいは一日を過ごすのにとても楽しい場所です。もちろん大人も十分すぎるほど楽しめます。

建物は6層に分かれています。1階は受付やショップ、レストランなど、2階(Floor One)は水族館とシアター、3階は昆虫の展示や自然史系のハンズオン・コーナー、企画展示室、4階は民族学や考古学の展示、5階は古生物学(恐竜)や自然・環境系の展示、6階は天文・宇宙系の展示とプラネタリウムになっています。

展示は、ちょっとチープな感じがするものもなくはなかったのですが、基本的にはどれも面白く興味深いものでした。そんな中で特に私が気になったのは、エジプト考古学と日本に関する展示です。かなりの充実ぶりに驚きました。そのほかの世界各地の文化人類学・民族学系の展示も含めて、さすが大英帝国!っていう感じです。

世界的な視点を持つと同時に、地域にもしっかりと目が向けられていて、例えば、水族館には、マージー川河口の生き物に関する展示がありました。

マージー川河口の生物を紹介する展示

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ワールド・ミュージアムへのアクセス・行き方

ワールド・ミュージアムは、ウォーカー美術館や中央図書館、セント・ジョージ・ホールなどさまざまな文化施設が集中している地区にあります。このあたりは、「ウィリアム・ブラウン・ストリート保存地域」として世界遺産「海商都市リヴァプール」の一地域を構成しています。

最寄り駅はLiverpool Lime Street駅で、徒歩5分ぐらいです。

 

最新情報

2017年の入館者数は672,120人で、前年比プラス1%だったそうです。

China’s First Emperor and the Terracotta Warriors”という企画展が2018年2月9日~10月28日の会期で開催されています。開催期間中の9月・10月の金曜と土曜は、20時までの夜間開館が行われるようです。リバプールは、シノワズリ(中国趣味)の影響を受けた陶器生産の拠点でもあったようですので、このような企画展が開かれるのかもしれませんね。

ひとこと

世界がギュッと凝縮されて展示されているワールド・ミュージアムは、総じていうと、どちらかというと地元住民・地域のための博物館といえると思いますが、観光で訪れてもいろいろな発見ができる博物館であることは間違いがありません。

info

World Museum Liverpool

  • 訪問日: 2017年12月5日
  • 開 館: 1853年3月8日
  • 入館者数: 672,120人(2017年)
  • 所在地: イギリス・リバプール(William Brown Street, Liverpool, L3 8EN)
  • アクセス: Liverpool Lime Street駅から徒歩5分、ローカル鉄道Merseyrailのノーザン・ライン(Northern Line)のMoorfields駅から徒歩8分、Liverpool Central駅から徒歩10分
  • 入館料: 無料
  • 開館時間: 10時から17時
  • 休館日: 1/1、12/24-26、12/31
  • 公式サイト : http://www.liverpoolmuseums.org.uk/wml/

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