ナポリ歴史地区 - 確かに死ぬまでに一度はみたいナポリ

ヌオーヴォ城

ナポリ歴史地区/Historic Centre of Naples:概要、歴史、見どころ、アクセス・行き方、感想など

「ナポリ歴史地区」は1995年に登録された世界遺産(文化遺産)で、紀元前からさまざまな民族・文明の影響を受けてきた歴史・文化を見ることができます。「ナポリを見てから死ね」ということわざがありますが、天気は悪かったものの、確かに美しくまた活気と混沌が感じられる街は見どころがたくさんあり見ごたえがあります。

 

ナポリの歴史

ナポリは、紀元前470年頃(紀元前6世紀頃とも)に、ギリシアの植民都市として建設され、その名前はギリシア語の「ネアポリス(新しい都市)」に由来するといわれています。

紀元前4世紀頃に古代ローマの支配下となり、その支配は476年の西ローマ帝国崩壊まで続きます。その後、ゲルマン系の東ゴート族やランゴバルド族(ロンバルト族)の影響下に入りましたが、6世紀に東ローマ帝国が進出しイタリア半島は東ローマ帝国の属州になります。ナポリには660年に東ローマ帝国系の公国が置かれました。

11世紀になるとノルマン人が南下しシチリアを征服、1160年にはナポリを支配しました。その後しばらくして、ナポリはホーエンシュタウフェン家の神聖ローマ帝国の支配下となりました。

13世紀半ばに入るとフランス系のアンジュー家がナポリ王国を成立させました。しかし、15世紀半ばにスペイン系がナポリ王国を武力支配。その後、一時期、フランス系が再び王国を取り戻したようですが、スペインが勝利し1503年にフランス軍を追放し、ナポリはスペインのナポリ総督が治める地となったようです。

1707年、今度はオーストリアのハプスブルグ家がやってきます。この支配は1734年まで続き、その後、スペインが再び1806年まで支配。1806年からはフランス、1816年からはまたスペイン系王家、1860年にイタリアに併合され、1861年のイタリア統一を迎えます。

ギリシア、ローマ、ゲルマン、ノルマン、フランス、スペイン、オーストリアなど実に目まぐるしい支配者の歴史と多様性ですね。こうしたことが世界遺産「ナポリ歴史地区」につながっているのかもしれません。

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ナポリ歴史地区の主な見どころ

王宮(Palazzo Reale di Napoli)

スペインが統治していた17世紀初頭に建築され、スペイン系やフランス系の王家が王宮として使用しました。第二次世界大戦中に破壊や略奪など大きな被害を受けたようですが、1950年代に修復が行われています。確かに豪華な王宮でした。

卵城(Castel dell’Ovo)

卵城は、もともとは紀元前1世紀にローマの貴族の別荘として建設されたようですが、5世紀には修道院になり、11世紀にノルマン人により要塞化されていったようです。現在の外観は、15世紀頃のもののようです。

卵城の名前は、ノルマン人が城の基礎に卵を埋め、卵が割れる時、城もナポリも危機をむかえると呪いをかけたことに由来するとか。

サンタルチア港にあり、港の風景やナポリの街並み、ヴェスヴィオ火山などが見渡せます。訪れた日は冬の生憎の天気でしたが、夏などの晴れた日にはとても気持ちよさそうです。

ヌオーヴォ城(Castel Nuovo)

ヌオーヴォ城は「新しい(Nuovo)城」という意味で、卵城と区別するために名づけられたそうです。アンジュー砦とも呼ばれるようですが、これはフランス系のアンジュー家出身のナポリ王・カルロ1世が1279~1282年に建設したことによるものでしょう。

この城は戦いの場ともなり、大きく破損したようですが、スペイン系の王家が支配する時代になり15世紀から18世紀にかけて改築され現在に至ります。円筒形の塔や塔の間の凱旋門が印象的なルネッサンス期の城です。

内部は城として見学できますが、市民博物館になっているとこもあります。

サンテルモ城(Castel Sant’Elmo)

サンテルモ城は、ヴォメロの丘の上にあり、ナポリの街が一望できます。1275年頃からアンジュー家により建築が始められました。15世紀に地震の被害を受けた城は、16世紀にスペイン人により再建されました。17世紀から20世紀にかけては刑務所として利用されたとか。未訪問。

サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂/ドゥオーモ:Cattedrale Di Santa Maria Assunta/Duomo

13世紀に建設が始まり1313年に完成した大聖堂。建設にあたっては、5世紀につくられたステファニア聖堂が取り壊され、隣接していた4世紀のサンタ・レスティトゥータ聖堂が組み込まれたそうです。

完成後、地震の被害などをたびたび受けたようで、14~19世紀にかけて再建・改築が行われています。現在の正面ファサードは19世紀にゴシック様式で改築されたものです。やはり第二次世界大戦の空襲で被害を受けて1969~1972年に修復が行われています。

大聖堂内にあるサン・ジェンナーロ礼拝堂は、ペストの終息に感謝に1638年に建てられたものだそうです。

サン・マルティーノ修道院(Certosa e Museo di San Martino)

ヴォメロの丘の上、サンテルモ城の近くにあるバロック様式の修道院。1325年に建設が開始され、1368年に奉献され、豪華な装飾が残っているそうです。19世紀初頭に修道院は閉鎖され、現在は博物館となっているそうです。未訪問。

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サンタ・キアラ聖堂(Basilica di Santa Chiara)

フランス系のアンジュー家により、1313~1340年に建設された教会。第二次世界大戦の爆撃で破壊されましたが、戦後に再建されたとのこと。未訪問。

ウンベルト1世のガレリアGalleria Umberto I)

1887~1890年に建設されたガレリア。いうならばショッピング・モールです。ミラノのガレリアと似ていますが、ミラノのものは1865年から1877年にかけて建設されました。ナポリの方が建設時期が少し遅いですが、同時期といえば同時期です。

サンカルロ劇場(Teatro di San Carlo)

1737年にオープンした劇場で、現役の劇場としてはヨーロッパ最古だそうです。イタリア3大歌劇場の一つ(他の二つは、ミラノのスカラ座とローマのオペラ座)。中を見学できるツアーもあるようです。残念ながら時間が合わずパスしてしまいました。

ナポリ歴史地区へのアクセス・行き方

ローマのテルミニ駅からナポリの中央駅までは、高速鉄道で1時間10分程度です。交通費を抑えたいなら、時間は少しかかりますがバスを使うのもいいかもしれません。ナポリ中央駅から各所へ行くのは地下鉄が便利だと思います。ちなみに地下鉄のパブリック・アートはとてもいいです。

ナポリの治安

ナポリは、治安に関する不安があるかと思いますが、昼間、路地裏に入り込まず人通りの多いところを歩いている分には大丈夫だと思います。もちろん、危ないといわれている地区(スペイン地区やフォルチェッラ地区、ナポリ中央駅付近、スパッカ・ナポリなど)や怪しそうな人には近づかないとか周りに注意するとか隙を見せず荷物の持ち方にも注意するなど当たり前のことは心がける必要はあります。

ひとこと

「ナポリを見てから死ね」などともいわれるほど美しいナポリ。

天気は良くなかったですが、確かに歩き回っていると天気がよければとてもきれいだろうなとか、歴史とか文化を感じさせる面白いもの、興味深いものに出会います。ナポリからはポンペイ遺跡やカプリ島の「青の洞窟」にも行けますし、おススメです。防犯に十分に気を付けて街を巡ってみてはいかがでしょうか。

info

Historic Centre of Naples

  • 訪問日 : 2017年12月28日
  • 所在地 : イタリア・ナポリ
  • アクセス :ローマから高速鉄道で、1時間10分程度
  • 登録年 : 1995年
  • 登録区分 : 文化遺産
  • 開 館 : -
  • 入館者数 : -
  • 入館料 : -
  • 開館時間 : -
  • 休館日 :-
  • イタリア政府観光局の世界遺産公式サイトhttp://visitaly.jp/unesco/centro-storico-di-napoli
  • ユネスコ世界遺産センターURL : http://whc.unesco.org/en/list/726/

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