トリノ自動車博物館 - さすがフィアットのおひざ元!自動車製造が盛んなトリノにある国立博物館

トリノ自動車博物館/Museo Nazionale dell’Automobile di Torino:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想、最新情報など

トリノ自動車博物館は、自動車製造が主要産業のトリノにある国立博物館で、200台以上をコレクションしています。空間・展示デザインが美しいのはさすがです。

 

トリノ自動車博物館の概要と歴史

トリノ自動車博物館は、二人のイタリア自動車界のパイオニア、チェーザレ・ゴリア・ガッティとロベルト・ビスカレッティ・ディ・ルッフィア(トリノ自動車クラブの初代会長にしてフィアットの創立者の一人)の構想によって1932年に設立されました。90年近く前のことです。

この自動車博物館が大きな変貌を遂げたのは1960年のこと。ロベルト・ビスカレッティ・ルッフィアの息子カルロによって、1854年にトリノでつくられた蒸気自動車や1893年の最初期のベンツ、プジョー初の量産車などが収集されるようになりました。現在の建物もこの1960年に建てられています。

2011年には、大規模リニューアルが行われ、建築、展示ともに刷新されました。この結果、展示面積も11,000平方メートルから19,000平方メートルへ拡大しています。2011年はイタリア統一150周年で、これにちなんでリニューアルが行われたものだと思います。

この博物館は、単に自動車を収集し展示するのではなく、自動車にまつわるさまざまな側面をとりあげながら、人々が出会い、対話し、考え、体験などを共有・促進する場となり、過去と未来のかけ橋となることも目指しているようです。

また、この博物館には、図書館・資料室や修復などのためのガレージなどもあり、自動車について記録し継承していく重要な拠点になっているようです。

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多彩な角度から車に迫る展示

3つのテーマ

常設展示は3フロアで構成されています。3、2、1階と上から下に順に降りながら見学します。各フロアにはテーマが設定されていて、3階が「車と1900年代(20世紀)」、2階が「人と車」、1階が「車とデザイン」です。

3階「車と1900年代(20世紀)」は、いわゆる通史的な展示で自動車の発達の歴史がわかります。2階「人と車」では、人と車のかかわり、物語をシーン再現なども交えて紹介しています。文化やアートという側面からも興味深く見ることができます。注目なのは1階「車とデザイン」。自動車のデザインについて多面的に紹介していますが、デザイナーに着目した展示があるのはさすがだと思いました。その中には日本のカー・デザイナーも含まれています。

200台以上のコレクション

8か国80ブランドにわたる、200台以上の車をコレクションしているそうです。8か国とはイタリアは当然のこと、フランス、イギリス、ドイツ、オランダ、スペイン、ポーランド、アメリカ。

残念ながら日本車は含まれていません。韓国や中国、インドなどもありません。ヨーロッパが中心だとしても、アメリカがあるならアジアの車もあってもよさそうな気もします。それと、ランボルギーニも見かけなかったです。単純に見落としているだけかもしれないのですが。ウエブ・サイトのコレクションのところにも掲載されていなさそうでしたし。国立の博物館ならあってもよさそうですが。

展示デザインに注目

リニューアルの結果だと思うのですが、空間デザイン、展示デザインともに美しく素晴らしいものでした。単に陳列するのではなく、シーンをつくり車の物語が伝わるようになっているほか、照明や映像などを効果的に使いながら車が持つダイナミックさ、躍動感が伝わるような展示デザインが随所でなされています。由緒・歴史ある車のコレクションが見どころであるのは間違いがないのですが、展示の仕方や展示演出も見どころです。また、リニューアルでは、デジタル・テクノジーを積極的に取り入れ、よりわかりやすい展示とすることも重視されたようです。もちろん館内では無料でWi-Fiが使えますので、専用アプリで展示への理解を深めることができます。

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トリノと自動車製造産業

トリノは、自動車製造が主要な地域産業です。この博物館が立地するリンゴットもフィアットの本社・工場があったところ。ちなみに、フィアットはFIATで、“Fabbrica Italiana Automobili Torino”の頭文字を取ったもので、「トリノのイタリア自動車製造所」を意味します。

この博物館で印象深かった展示のひとつに自動車関連製造企業などをプロットできるインタラクティブなマップがあります。これを見るとトリノと自動車製造産業のかかわりが一目でわかります。

トリノ自動車博物館へのアクセス・行き方

地下鉄M1線のリンゴット(Lingotto)駅から歩いて約9分です。リンゴット駅のすぐ近くにはフィアットの本社だった建物を生かした大型商業施設などもあります。

ひとこと

自動車好きでなくても十分楽しむことができる博物館だと思います。休館日の表示がないのですが、年中無休なのでしょうか?開館時間も変則的です。何かわけがあるのかもしれませんね。

それにしても、トヨタやホンダがすごく良い博物館を持っていますが、日本にはなぜ「国立」の自動車博物館とか産業技術博物館がないのでしょう?あって良いと思うのですが…。

info

Museo Nazionale dell’Automobile di Torino

  • 訪問日: 2017年12月20日
  • 開 館: 1932年
  • 入館者数:-
  • 所在地: イタリア・トリノ(Corso Unità d’Italia 40 – 10126 Torino Italia)
  • アクセス:地下鉄M1線のLingotto駅から徒歩9分
  • 入館料: 12ユーロ(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり
  • 開館時間: 月 10時~14時、火 14時~19時、水・木・日 10時~19時、金・土 10時~21時
  • 休館日: -
  • 公式サイト : http://www.museoauto.it/

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