ポンピドゥー・センター - 近現代美術などの複合的な芸術・文化の拠点!

夜のポンピドゥー・センター外観

ポンピドゥー・センター/Centre Pompidou(Centre national d’art et de culture Georges Pompidou ):見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想、最新情報など

ポンピドゥー・センターは、パリの美術館巡りでルーブル美術館やオルセー美術館とともにぜひ訪れたい美術館。近現代芸術の巨匠の作品をはじめ刺激的な作品の数々に出会えます。建物を見るだけでも一見の価値あり!

 

ポンピドゥー・センターの歴史・沿革

ポンピドゥー・センターの正式名称は、ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター (Centre national d’art et de culture Georges Pompidou :CNAC-GP)で、近代美術館、産業創造センター、公共情報図書館、音響音楽研究所、アトリエ・ブランクール、カンディンスキー図書館、映画館、多目的ホールなどからなる複合的な総合芸術文化施設で1979年に開館しました。

エスカレーターが特徴的な外観。ポンピドゥー・センター前の広場では大道芸やイベントも行われるようです

1969年、当時のジョルジョ・ポンピドゥー大統領が、造形芸術をはじめさまざまな芸術領域が相互に刺激・交流し新たな芸術を創造するような今までに全くない新しい近現代芸術拠点をパリのボーブール(Beaubourg)地区につくるという構想を発表しました。

正面入り口付近

この構想を受けて、造形芸術(近代美術館)・デザイン(産業創造センター)・音楽(音響音楽研究所)・映画(映画館)・ライブパフォーマンス(多目的ホール)や図書館(公共情報図書館)などからなるポンピドゥー・センターが計画されました(構想発表時は音楽や図書館などは入っていなかったようです)。ポンピドー大統領以前から新しい芸術拠点をつくる構想はあったようですが、芸術愛好家のポンピドゥー大統領だから計画を推進できたのかもしれません。もちろん多くのアーティストが活躍した“芸術の都”ならではのバックグラウンドがあったからこその構想といえるでしょう。ポンピドゥー・センターの名前もポンピドゥー大統領にちなむものです。

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レンゾ・ピアノらの建築設計案が選ばれる

建築デザインは、国際コンペが開かれ、49か国から681案が集まり、その中から、レンゾ・ピアノ、リチャード・ロジャース、ジャンフランコ・フランキーニの3人のチームの提案が選ばれました。ちなみに、当時は3人ともそれほど有名ではなかったようですが、今日では、例えば、レンゾ・ピアノは、関空のターミナル・ビル、カリフォルニア科学アカデミー(サンフランシスコ)やザ・ブロード現代美術館(ロサンゼルス)、ホイットニー美術館(ニューヨーク)などを手掛け大御所となっています。

今日ではすっかり街の風景となり定着しているポンピドゥー・センターですが、完成当初は石油精製所だといわれたり批判も多かったようです。エッフェル塔もそうですが、それまでの景観にないまったく新しいデザインの建物が現れると、違和感を感じる人は少なくなく批判が起きるのは仕方ないことかもしれませんね。建築デザインへの批判はあったようですが、打ち出す意欲的な企画展によって、すぐに美術界に大きな影響を与える有力な美術館になりました。人気も高く想定以上の集客があったようです。

開館20周年の年であった1997年10月からいったん休館し1999年12月まで改装工事が行われました。この工事で、コレクションの展示スペースの拡張やライブ・パフォーマンスのための設備が改善されました。リニューアル・オープンは2000年1月1日です。

建物は10フロアに及び各フロア7,500平方メートル(正確な延床面積は103,305平方メートル)。各施設の面積は、近代美術館のコレクション展示スペースが12,210平方メートル、企画展示スペースは5,900平方メートル、公共情報図書館は10,400平方メートル、カンディンスキー図書館は2,600平方メートルです。また、2つある映像館は315席と144席で、パフォーマンスが行える多目的スペースは384席、レクチャーなどの講堂は158席というスペックです。

外観の特徴となっているパイプ類などの設備は青が空調、黄が電気、緑が給排水、赤が人という色分けがされているのも興味深いです。

国立近代美術館の歴史・沿革

建物そのものも大きな魅力なのは間違いないですが、やはりなんといってもポンピドゥー・センターの見どころは近現代美術。観光客にとってはポンピドゥー・センター=近代美術館といっても過言ではないでしょう。

その近代美術館の起源は1750年にルイ8世が設立したフランス最初の美術館・ルクセンブルグ美術館(リュクサンブール美術館)にさかのぼります。その後、1818年に没後10年を経過していた作家の作品はルーブル美術館に収蔵されることになり、存命する作家のものを専門とする美術館、つまり現代美術館となりました。当初は伝統的な絵画中心であったようですが、後に同時代の新しい傾向の作品も収蔵することになり、しだいに手狭になったことなどから、新しい美術館を建設することになりました。1937年に建物は落成したものの、仕上げ工事が必要な状態でしかも戦争による影響も受け一部開館したのが1942年だそうです(開館式典は戦後の1947年)。場所は今日のパレ・ド・トーキョーです。ちなみに、パリ市立の近代美術館も同じ建物内に入居し、二つの近代美術館が一つの建物内にある状態でした。パリ市立近代美術館は現在でもパレ・ド・トーキョーにあります。

パレ・ド・トーキョーでの活動はおよそ30年で、1977年にポンピドゥー・センターに移転しました。

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国立近代美術館のコレクション

国立近代美術館は、1905年から現代までの10万点以上の作品を所蔵していて、ヨーロッパ最大の近現代美術コレクションです。世界的にもニューヨーク近代美術館(MoMA)に続くコレクション数とのこと。コレクションには、ピカソ、カンディンスキー、マティス、シャガールミロ、ダリ、キリコ、クライン、マグリット、モンドリアン、ポロック、ウォホールなどが含まれていて、まさに近現代美術の歩み、歴史を目の当たりにすることができます。

ちなみに、国立美術館間の役割分担として、ルーブル美術館は2月革命があった1848年以前の作品、それ以降第1次大戦が勃発した1914年までの作品はオルセー美術館が所蔵するという原則があるようです。

1992年には産業創造センターが統合され、インダストリアル・デザイン関連も収蔵されました。

ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)の見どころ

ポンピドゥー・センターは外観だけでもドキドキさせてくれますが、中に入るとその雰囲気でさらにワクワク感が高まります。

近代美術館の展示室はNiveau(Level)  4・5・6(日本でいう5・6・7階)にあります。Niveau 4は近代美術、Niveau 5は現代美術になっていますので、外観の特徴ともなっているエスカレーターで展示室に向かいます。このエスカレーターもパリの景色が楽しめたりとこの施設の魅力の一つでしょう。

ピカソをはじめとても有名な作家の作品を見ることができ、近代の美術史を概観できます。また、現代美術もデュシャンの「泉」やウォホールなど古典的な現代美術(変な言い方ですね)というか定番的な現代美術も展示されているほか、面白く興味深いものがいくつも展示されています。

現代美術は、アメリカの現代美術館とアーティストなど共通する部分も多いのですが、なんとなくコレクションの方向性が違うというかテイストが違うような気がしました。また、映像系の現代美術にも力をいれているようです。企画展だけではなく、常設展の作品も適宜入れ替えているようですので、雰囲気がかわったり新たな発見・出会いがあるかもしれません。

ポンピドゥー・センターでは、ユニークな映画の上映やライブ・パフォーマンスなども行われています。今回の訪問では見られませんでしたが、次回はぜひ見てみたいと思います。

小さな子どものためのスペースが設けられているのも印象的でした。時間も遅かったので、さすがに遊んでいる子どもはいませんでしたが。

わりと遅くまで開館していますので、他の美術館を見てから見ることもできます。

ポンピドゥー・センターへのアクセス・行き方

地下鉄11号線のランビュート(Rambuteau)駅から歩いて2分、1・11号線のオテル・デ・ヴィル(Hôtel de Ville)駅からは3分、1・4・7・11・14号線のシャトレ(Châtelet)駅からは5分、PER A・B・D線の Châtelet-les Hallesからだと6分です。

最新情報

2017年の入館者数は3,371,000人 で、前年比プラス2.2%と入館者数が増えました。世界の美術館ベスト10です(入館者数世界10番目)。

「ジャポニスム2018:響きあう魂」

日仏友好160周年を記念して、2018年7月から2019年2月まで、パリを中心に日本文化を紹介するイベントが開かれています。そのイベントは、縄文、伊藤若冲、琳派、歌舞伎、能・狂言、雅楽などの伝統文化、現代演劇・美術や最新のメディア・アート、マンガ・アニメ、日本映画などの現代の文化、そして日本食・酒、祭り、伝統工芸などといった分野まで幅広く日本を紹介するものです。

公式HP:

ジャポニスム2018
「ジャポニスム 2018:響きあう魂」は、フランス・パリを中心に開催される大規模な複合型文化芸術イベントです。"世界にまだ知られていない日本文化の魅力"を紹介していきます。

ポンピドゥー・センターも会場になっていて、「池田亮司 | continuum」展 (2018年6月15日 – 8月27日)と「安藤忠雄 挑戦」展 (2018年10月10日 – 12月31日)」の展覧会が開催されます。また、河瀨直美監督の映画上映、テクノ・コンサート、岡田利規演出 の演劇や木ノ下歌舞伎「勧進帳」の上演も行われます。

ひとこと

ポンピドゥー・センターは、ぜひ見たいと思っていたのですが、期待どおりの素晴らしい美術館でした。

現代美術ばかりかと思っていましたのですが、正直なところ、近代の作品がこんなにたくさん展示されているとは知りませんでした。勉強不足でした…。

「ジャポニスム 2018」はかなりの大掛かりなイベントですね。どのようにフランスや世界の方が日本文化に接し受容するのかとても興味があります。

info

Centre Pompidou:Centre national d’art et de culture Georges Pompidou (CNAC-GP)

  • 訪問日: 2017年12月13日
  • 開 館: 1977年1月31日(一般公開は2月2日から)
  • 入館者数: 3,371,000人 (2017年)
  • 所在地: フランス・パリ(Place Georges-Pompidou, 75004 Paris)
  • アクセス:地下鉄11号線のRambuteau駅から徒歩2分、1・11号線のHôtel de Ville駅から徒歩3分、1・4・7・11・14号線のChâtelet駅から徒歩5分、PER A・B・D線の Châtelet-les Hallesから徒歩6分
  • 入館料: 14ユーロ(大人・個人・当日) ※各種割引制度あり <パリ・ミュージアム・パス対象施設>
  • 開館時間: 11時~21時、木曜日は一部23時まで
  • 休館日: 火曜日、5/1
  • 公式サイト : https://www.centrepompidou.fr/
  • 日本語ウエブ・サイト https://www.centrepompidou.fr/fr/infos/jpn/node_84919

【姉妹サイトの投稿記事】

訪問した日の旅行記です。