リバプール博物館 - 多彩な角度からリバプールにスポットをあてた国立の歴史系総合博物館

リバプール博物館/Museum of Liverpool:見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想、最新情報など

ユニークなテーマや一般的には避けがちなテーマも含めた多彩な角度からリバプールの過去、現在、未来を考えることができるミュージアムです。

 

リバプール博物館の沿革・歴史

リバプール博物館は、2011年7月19日にオープンした比較的新しい博物館ですが、このミュージアムには前身があります。リバプール生活の博物館(Museum of Liverpool Life)というミュージアムです。このミュージアムの開館は1993年で、過去200年間にわたるリバプールの一般の人々の日常生活、仕事、娯楽などに焦点をあてていました。年間30万人以上が訪れる人気博物館だったようで、手狭になったことなどもあり、リバプール博物館に発展的に移行するため2006年6月に閉館しました。

政府外公共機関が運営するリバプール博物館

この博物館は、市立博物館かと思ったのですが、実質的に国立博物館でNational Museums Liverpoolという組織が運営しています。このNational Museums Liverpoolは、リバプールにある7か所のミュージアム(リバプール博物館、国際奴隷博物館、マージーサイド海事博物館、ワールド・ミュージアム、ウォーカー美術館、レディ・リーバー美術館、サドリー・ハウス美術館)を運営しています。政府外公共機関というらしいですが、日本でいうと独立行政法人のような組織のようです。

ちなみに、リバプールにはもう一つ国立のミュージアム「テート・リバプール」がありますが、こちらはNational Museums Liverpoolの運営ではなく、他のテートと一緒に別組織で運営されています。

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リバプール博物館の建物

リバプール博物館は、歴史ある建築物を活用したのではなく、新しく建てられました。その大きさは110 m×60mで高さは26m。ユニークな形状をしています。その形状から論争もあったようです。建物の端には高さ8m×幅28mの大きな窓が設けられています。ここからの眺めはとても良いのですが、そこはスクリーンとして映像を映し出すことができ、外から見ることができるようです。

ユニークな展示テーマの構成

リバプール博物館の展示手法は、実物展示、模型、映像、グラフィックなどをうまく組み合わせたオーソドックスなものですが、展示物の高さなどが高い位置にあったりと日本ではあまり行わない立体的な展示が行われていました。デザインもさすがの巧みさです。

展示の特徴・見どころは、展示構成のユニークさ、リバプールの特徴が際立つ展示構成だと思います。また、国立の博物館で、例えば、貧困問題やLGBTなど議論を招くようなテーマに正面から取り組んでいることにも感動しました。

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特に興味深かったのは、「グローバル・シティ(Global City)」「人民共和国(The People’s Republic)」「すばらしき地(Wondrous Place)」の3つのコーナー。

「グローバル・シティ」の展示室では、西アフリカや中国との結びつきなどをはじめ海外との交流・交易の歴史によってリバプールの特徴を浮き彫りにしています。また、「人民共和国」では、過去200年のリバプールの社会的な変化を紐解きながら、今日の社会問題にもスポットをあて「考えさせる展示コーナー」になっています。そして、「すばらしき地」はリバプールゆかりの作家・芸術家・文化人・ミュージシャン・スポーツ選手などを紹介するコーナーになっています。このコーナーではビートルズが紹介されていたり、サッカー体験ができたりとどちらかというと大衆文化的なものが充実していました。※「すばらしき地」の展示室は、現在、企画展“Double Fantasy  – John & Yoko”の会場で使用されているようです。

そのほかにも、小さな入江がいかに発展して行ったかを紹介する「大いなる港(The Great Port)」、世界初の高架電鉄を紹介する「リバプール高架鉄道(Liverpool Overhead Train)」、地中の文化財(埋蔵文化財)にもスポットをあてた「歴史名探偵(History Detectives)」、17世紀に組織されたイギリス最古の連隊などを紹介する「シティ・ソルジャー(City Soldiers)」などのコーナーがあります。また、6歳以下を対象としたチルドレンズ・ミュージアム的なハンズ・オン・ギャラリーの「リトル・リバプール(Little Liverpool)」もありましたが、年齢もオーバーしていましたし子連れではなかったので入れませんでした。

リバプール博物館へのアクセス

リバプール博物館は、観光スポットが集中しているピア・ヘッドやアルバート・ドックなどのウォーターフロント地区にあります。このあたりは「海商都市リヴァプール」として世界遺産にも登録されている地域です。

ローカル鉄道マージーレイル(Merseyrail)・ウィラル・ライン(Wirral Line)のJames Street 駅が最寄り駅になり、歩いて2、3分です。また、ウィラル・ラインだけではなくノーザン・ライン(Northern Line)も走っているMoorfields駅からだと徒歩5分です。

リバプールの中央駅(Liverpool Central Station)からは徒歩15~20分、リバプール・ライム・ストリート駅(Liverpool Lime Street Station)からは徒歩20分ぐらいです。

最新情報

2017年の入館者数は737,120人で、前年比プラス8%だったそうです。なかなかの規模のミュージアムといえるでしょう。

Double Fantasy  – John & Yoko”という企画展が2018年5月18日~2019年4月22日のほぼ1年間、開催されています。ジョン・レノンの出身地ならではの企画展です。初公開のものもあるようですし、見てみたいところです。

ひとこと

ここはまさにリバプールがぎゅっと凝縮されて展示されている博物館。リバプールに来たらぜひ立ち寄ってみるべき博物館の一つだと感じました。

info

Museum of Liverpool

  • 訪問日: 2017年12月5日
  • 開 館: 2011年7月19日
  • 入館者数: 737,120人(2017年)
  • 所在地: イギリス・リバプール(Pier Head, Liverpool Waterfront, Liverpool, L3 1DG , UK)
  • アクセス:ローカル鉄道Merseyrailのウィラル・ライン(Wirral Line)のJames Street 駅から徒歩2、3分、ウィラル・ラインまたはノーザン・ライン(Northern Line)のMoorfields駅から徒歩5分、Liverpool Central駅から徒歩15~20分、Liverpool Lime Street駅から徒歩20分
  • 入館料: 無料
  • 開館時間: 10時から17時
  • 休館日: 1/1、12/24-26、12/31
  • 公式サイト : http://www.liverpoolmuseums.org.uk/mol/

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訪問した日の旅行記です。