上海当代芸術博物館（Power Station of Art）：見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など

上海当代芸術博物館は中国最大の現代美術館です。また、公営の現代美術館としては中国本土初。発電所を改装した巨大な空間は、現代美術の展示空間としてとても良い場所になっています。

上海当代芸術博物館の沿革・歴史
上海当代芸術博物館の概要
さまざまな企画展をはじめとする多彩な活動
上海ビエンナーレ
上海当代芸術博物館へのアクセス・行き方

上海当代芸術博物館の沿革・歴史

上海当代芸術博物館は2012年10月1日（建国記念日にあたる国慶節の日）に開館しました。同じ日に中華芸術宮も開館しています。大型美術館が同じ都市内に同時にオープンするのはとても珍しいのではないでしょうか。

この美術館は、南市発電所の1985年に建設された建物を改装したものです。南市発電所の創業は1897年で現在の場所に移転してきたのは1935年のことのようです。発電所を改装して現代美術館にしたという点では、テート・モダンと一緒です。やはり発電所の大空間が現代美術の展示には魅力的なのでしょう。

発電所は2007年まで稼働。2010年の上海万博の時には、城市未来館というパビリオンとして活用され、その後、上海当代芸術博物館として生まれ変わりました。この館の英語名称：Power Station of Art（PSA）が発電所を忍ばせます。発電所からの改装費用かパビリオンからの改装費用からはわからないのですが、改装には6,400万ドルの費用がかかっているようです。

上海当代芸術博物館と中華芸術宮は、開館日だけではなく、上海万博でパビリオンとして活用された点も同じですね。

上海当代芸術博物館の概要

建築面積は42,000平方メートルで、15,000平方メートルの展示スペースを有しています。内部には高さ27ｍの大空間があり特徴になっています。また、高さ165ｍの煙突はこの館のシンボルといえるでしょう。

内部は7層に分かれていて、10の展示室やシアター、ライブラリー、カフェ、レストラン、ショップなどがあります。

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さまざまな企画展をはじめとする多彩な活動

常設のコレクション展示はなさそうでしたが、この館ではさまざまな企画展が行われています。私が訪れた時は、Superstudioというイタリア・フィレンツェにある建築設計集団の50周年記念回顧展「超級工作室50年」をやっていました。

注目したいのは「青年策展人计划（Emerging Curators Project）」です。これは若手キュレータによる企画展で、定期的に入れ替えが行われているようです。こうした若手に機会と場を与えることは、とても素晴らしいことだと思います。

そのほかにもミニ企画展がありました。企画展に付随するものをはじめ子ども向きやワークショップ、パフォーミング・アーツなどさまざまな教育普及活動も行われているようです。

上海ビエンナーレ

この館は、1996年からはじまった上海ビエンナーレ（上海双年展）の会場に、開館の年からなっています。第12回は2018年11月10日から2019年3月10日までの会期で、「禹歩（うほ）」をテーマに開催されています（英語のテーマは“Proregress”）。このビエンナーレはアジアや世界でも有数のビエンナーレのようです。

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