ミラノ市立自然史博物館 - ジオラマが出色!昔懐かしい自然史博物館

ミラノ市立自然史博物館:Museo di Storia Naturale di Milano - 見どころ、概要、歴史、アクセス・行き方、展示、感想など

ミラノ市立自然史博物館は、ジオラマが素晴らしい、イタリア随一の自然史博物館です。

 

ミラノ市立自然史博物館の概要と沿革

ミラノ市立自然史博物館は、1838年に創設された博物館で、自然科学者で収集家のジュゼッペ・ダ・クリストフォリス(Giuseppe de Cristoforis)が亡くなりそのコレクションがミラノ市に寄贈されたことがきっかけで設立されました。博物館として一般公開されたのは、1844年9月で市内チルコ通りの近くのサンタ・マルタ修道院でのことだったようです。この時が自然史博物館の開館といえるでしょう。

設立後もコレクションは増大したことから別の場所に移転し、その後、1888年から1893年にかけて現在の建物が建設され移転しました。ゴシック様式も一部取り入れたネオ・ロマネスクという様式の建物です。

第2次世界大戦ではミラノ市内の他の施設と同様に、自然史博物館も大きな空襲の被害を受け、コレクションの半分が失われたといいます。博物館が再公開されたのは1952年です。

階段には博物館のコレクションの元になった寄贈者と初代館長の胸像が設置されていました

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自然史博物館の展示

自然史博物館は23の展示室があり、500のディスプレイと80のジオラマがあります。展示面積は約5,500平方メートル。およそ300万点を収蔵しているようです。

3つの展示テーマ

英語版ですが博物館のリーフレットによると、自然史博物館は「自然のかたち(Shapes of Nature)」「地球の生命の進化(Evolution of life on Earth)」「生物と環境とのかかわり( Relationship between Organisms and their Environment)」の3つの展示テーマを設定しています。また、学術的には、鉱物学、古生物学、人類学、無脊椎動物学、脊椎動物学の5つの分野から成り立っています。

出色のジオラマは一見の価値あり

世界中でいろいろなジオラマを見ましたが、ここのジオラマはアメリカ自然史博物館をはじめ世界のトップクラスの自然史博物館に勝るとも劣らないと思います。この館の見どころなのは間違いないでしょう。

この館のジオラマは、動物たちの生態のある一瞬を実に見事に切り取っていて、躍動感にあふれたジオラマに仕立てられています。全部ではないものの、こうしたすごいジオラマの数々を見るだけでもこの博物館に来たかいがあったような気がしました。ほんとうに素晴らしいジオラマで、ジオラマ好きなら必見です。

1テーマ1ケースの展示

そのほかの展示は、展示の仕方が昔懐かしい感じです。露出展示もありますが、基本的にはケース展示で1テーマ1展示ケース。標本などの実物資料と解説が中心で、ハンズオン展示や映像展示、情報系展示などはあまり行われていないようです。

展示資料は素晴らしいものだと思いますが、解説の多くはイタリア語ですし、色使いもなかなかユニークであったり、正直なところ展示デザインもあまり好みではなかったこともあって、興味をひかれませんでした。自然光があたって見づらいとかなどもありました。

そうはいっても恐竜や大型の骨格標本などは迫力もあり見ごたえがあるのは確かです。

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ユニークな企画展もあり

私が訪れた時は、スーパーリアリズムとでもいうのか、超リアルなタッチで描かれた動植物を描くアーティストの個展のような企画展が行われていました。

モンタネッリ公園はサイエンス・ガーデン

自然史博物館は、18世紀後半につくられたモンタネッリ公園にありますが、この公園は市民の憩いの場であるとともに、自然史博物館のほかにも、プラネタリウムやバイオ・ラボ、古生物ラボなどがあったり、さまざまな植物を観察できたりと科学を探究する場にもなっています。バイオ・ラボや古生物ラボではワークショップが行われるほか、ハンズオン展示も楽しめるようです。

ミラノ自然史博物館へのアクセス・行き方

地下鉄1号線のパレストロ(Palestro)駅のすぐ近くで歩いて1分ぐらいです。ミラノ市立近代美術館も近くにあり歩いて4分ぐらいです。

ひとこと

ジオラマはほんとうに感動的でした。普通のジオラマもあるのですが、今にも動き出しそうな瞬間を切り取ったジオラマ。観光向きの博物館ではないのでなかなか行かないと思いますが、他の展示はともかくジオラマはかなり良いと思います。

info

Museo di Storia Naturale di Milano

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